1999-07-28 ArtNo.19929
◆<星>ロイターズ・ベンチャーズ、アジアのネット企業に投資
【シンガポール】英国拠点の通信会社ロイターが数週間前に組織したReuters Venturesはインターネット・コンテンツやインターネット技術に関わる若いアジア企業への投資を目指している。
シンガポールを拠点とするロイター・アジアのジェラミー・ペン重役(MD)によると、ロイターズ・ベンチャーズはロイターズ・グリーンハウス・ファンドの資金を用いて来年からこの種の投資を開始する。後者はこれまでにYahooやInfoseekを含む米国と欧州拠点のインターネット企業24社に投資を行って来た。ロイターズ・ベンチャーズはロイターをインターネット・パワーハウスに変身させることになる。グリーンハウス・ファンドが上場企業8社に投じた資金の6月末現在の時価総額は6800万ポンド(S$1.828億)で、同ファンドはシェアの売却を通じて既に2900万ポンドの投資収益を実現している。
アジアはある種の領域では独自の技術を開発する必要があり、またグローバルなアプリケーションに関してもアジア企業がユニークなものを創造できないと言う理由はない。
例えばロイターは、中国語や日本語等に対応したダブル・バイトのソフトウェアに関わる技術や、アジアに関係したコンテンツ、あるいはバーチャル・コミュニティーへの投資に関心を寄せており、合弁、出資、パートナーシップの機会を探っている。
ロイター・ベンチャーズは数週間前にはダウ・ジョーンズと“ダウ・ジョーンズ・ロイター・ビジネス・インターラクティブ”と言う合弁事業を開始した。新会社は親会社の膨大なビジネス・データベースを利用し、インターネット(www.bestofboth.com)を通じて情報やニュースを販売する。同サービスは既にアジアでも利用でき、来年からは新たなウェブ・インターフェースを用い一層総合的なサービスを提供する。
ロイターズ・ベンチャーズはインターネットや伝統的メディアを通じたロイター・ニュースの流通業務も手掛ける。
ロイターのアジア・ビジネスは今年上半期に昨年同期比2%増の2億3700万ポンドの営業額を達成、営業支出は昨年同期の1億1700万ポンドから1億1300万ポンドに縮小した。
ロイターの今年上半期の世界売り上げは昨年同期比8%増の15億6000万ポンド、営業利益は横這いの2億7800万ポンドで、アジアは世界売り上げの5分の1に貢献している。(BT:3/27)
|