1995-06-15 ArtNo.1989
◆<星>製油所のプライス・セッターの地位は不動:アナリスト
【シンガポール】域内に新たな製油所が続々誕生しているが、アジア石油市場におけるプライス・セッターとしてのシンガポールの地位は短期的には揺るがない見通しだ。
ホノルル拠点のシンクタンク、イースト・ウエスト・センターの研究員カン・ウー氏が当地で開催された第8回世界石油精製会議で語ったところによると、アジア地域に出現した新製油所が競争力をもつには、シンガポールを上回る精製マージンを実現する必要が有るが、ボリューム生産、適度な利益率、柔軟な市場対応力を有するのは、今のところシンガポールのみと言う。しかし、同氏はシンガポールの石油精製量に占めるサードパーティーの比率が91年の約30%から13%下降した点も指摘した。報道によると、利ざや縮小で石油トレーダーらは精製手数料の大幅カットを製油所に求めているが、製油所側の反応は芳しくないようだ。一方、カン氏は、アジア地域の石油輸入依存度が需要急増で大幅に拡大すると予想、特にアジア地域の石油需給バランスに対する中国の影響の大きさを指摘した。(ST:6/14)
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