1999-07-21 ArtNo.19851
◆<星>インターネット・コマースに転向したビジネスマン
【シンガポール】panpac media.comのChong Huai Seng副社長は、伝統的ビジネス・スタイルから抜け出し、インターネットの潮流に身を投じたシンガポールのビジネスマンの1人。この4月セスダック登録企業の社名に“.com”を付け足したのも、同潮流の草分け“Yahoo!”の成功にあやかるとともに、インターネット・カルチャーにより社員を薫陶するためと、チョン氏は語る。
パンパック・メディア・コムは目下のところ雑誌の出版を中核業務としているが、最近は、地元インターネット・サービス・プロバイダー(ISP)のシングネットと共同でライフスタイル・インターネット・ポータル“ChannelZing”を開設、またファイナンシャル・インターネット・ポータル“Asia Stockwatch.com”の開設(9月)を準備している。
チョン氏は18カ月前のJerry Yang氏との邂逅がインターネットに身を投じるきっかけになったと指摘する。ヤン氏はシリコン・バリーの若手エンタープラナーの1人で、同氏が興したナスダック登録企業Yahoo!の時価総額は、今や一部の国の証券取引所の時価総額に等しい。
チョン氏は昨年のクリスマスにはインターネット・ゴールドラッシュの実態を把握するためシリコン・バリーに赴いたが、クリスマス・シーズンにも関わらずユニオン・スクウェア(サンフランシスコ)の少なからぬ大型店舗はがら空きで、それに引き替え地元紙はインターネット・ショップの盛況ぶりを報じていた。チョン氏はその時、インターネット・コマースの奔流を自覚したと言う。
チョン氏は上場会社パン・パシフィック・パブリッシング・カンパニー(PPP)のマネージング・ディレクター(MD)を務めていた1997年に、英国のカールトン・コミュニケーションズ及びマレーシアのホンリョン・グループと、衛星通信を利用し、カラオケTV番組を提供するチャンネルKTVを開設したが、1997年4月にはPPPはチャンネルKTVに対する950万Sドルの投資を帳簿抹消し、同事業から手を引いた。その時チョン氏はPPPの持分をカットし、MDのポストを退くとともに、PPPのパンパック・メディア全持分を買い取り、パンパック・メディアの経営に加わった。
チャンネルKTVの経験に触れ、チョン氏はビジネスマンは、最悪の状況も想定し、失敗のリスクも敢えて犯さねばならないが、ユニークなセールス・ポイントを備えた適切なビジネス・モデルを構築することが重要と述懐した。(BT:7/19)
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