SEAnews 1999-07-16 ArtNo.19806

【シンガポール】シンガポールの小売不動産価格は需要改善に支えられ、今年第3、第4四半期に上昇基調を回復、来年は一層力強い伸びが期待できそうだ。
不動産コンサルタント、ジョーンズ・ラング・ラッセル(JLL)が14日発表した四半期報告書によると、これまで不況に喘いできた優良ショッピング・エリアの小売不動産は、特にアジア通貨危機の折りには深刻な打撃を被ったが、終にトンネルの出口に差し掛かったようだ。
予想される国内及び域内経済の成長回復や中央積立基金(CPF)納付率の上方修正の動きは、消費の拡大を刺激する見通しで、こうしたことが楽観的見通しのベースになっている。
オーチャード・ロードやスコッツ・ロード周辺の店舗スペースの第2四半期の賃貸料は、過去5四半期連続の下降局面を初めて脱し、第1四半期に比べ0.4％アップした。しかし郊外の店舗賃貸料は、前四半期に比べ0.5％ダウン、連続8四半期の下降となった。とは言え下降幅は、第1四半期の1.9％に比較して鈍化している。
小売スペースの全島平均入居率は第2四半期には95.4％と、前四半期に比べ0.6％ポイント・アップした。
向こう6カ月に完工が見込まれる新規小売スペースは66万8800平方フィートにとどまり、今年通年の新規供給量は107万平方フィートになる見通しだ。さらに来年の新規供給量は今年の半分以下の37万5600平方フィートにとどまり、特にオーチャード・ロード・ショッピング・エリアに関しては向こう2年乃至2年半にわたり全く新規供給がない。このことも店舗不動産市況の回復が見込まれる主要な理由になっている。(ST,BT:7/15)