1999-07-14 ArtNo.19776
◆<星>リセッションの主因は電子不況;エコノミスト
【シンガポール】シンガポール経済をリセッションに陥らせたのは、世界的な電子製品需要の軟化であり、広く信じられているアジア経済危機が原因ではない。
南洋理工大学(NTU)南洋ビジネス・スクール経済モデル部のChen Kang(陳抗)/Tan Khee Giap(陳企業)両准教授は8日催された第5回南洋アジア太平洋中央銀行会議の席上、アジアの経済危機は確かに深刻な影響を及ぼしたとは言え、それだけではシンガポール経済をリセッションに陥らせることはなかったと指摘した。
両氏によれば、シンガポール経済は昨年1.5%成長を見たが、仮に世界的な電子不況がなかったなら、製造業生産は-0.5ではなく3.3%のプラス成長を記録、国内総生産も昨年実績の2倍の3%に達したはずである。
大部分のエコノミストは域内経済危機の影響を過大視した嫌いがある。域内経済の不振に関わらず、シンガポールの金融/ビジネス・サービスは昨年3.1%のプラス成長を遂げた。シンガポール経済の急速な回復もやはり国際電子市況の復調に伴って生じている。
昨年第4四半期に生じた世界的な電子市況の力強い回復は、過去4カ月にわたりシンガポールの貿易/工業生産指数に積極的な影響を及ぼした。こうした成長基調は1999年一杯持続する見通しと言う。(ST:7/12)
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