1999-07-09 ArtNo.19728
◆<星>MAS、Sドルの適度な軟化目指す
【シンガポール】シンガポール経済の復調が明年まで持続する兆しが見られ、域内諸国の経済も安定化する中で、シンガポール金融管理局(MAS)は、アジア通貨危機発生以前のニュートラルな為替相場政策に復帰、主要貿易相手国通貨バスケットに対するSドル相場も危機以前の水準に戻すよう図っている。
MASのコー・ヨングアン局長(MD)が7日催されたMASの年次報告書発表会の席上語ったところによると、資産価値の最近の上昇に関わらずシンガポール経済は依然としてその潜在性を完全に発揮しておらず、低インフレも維持されている。このためMASはニュートラルなSドル相場政策への復帰を決めた。
MASはアジア通貨危機の最中にはその為替政策を緩め、Sドルの域内通貨に対する変動を放置してきたが、この日MASの幹部は、今年はSドルの値上がりを阻止せねばならないと強調した。MASは6日にはロンドン市場で米ドル買いを通じてSドルの値上がり阻止を図った。この点に関してMAS幹部は、同局は単一通貨に対するSドル相場の変動は懸念しておらず、主要貿易相手国の通貨バスケットに基づく相場の安定をより重視していると語った。(ST,BT,LZ:7/8)
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