【ニューデリー】国内における熱間圧延(HR)コイルの製造能力の大幅な拡大と需要の横這いが、鉄鋼業界の情緒を一層沈鬱なものにしている。
業界筋の予測によれば、1999/2000年度のHRコイルの製造能力は前年の1030万トンから1310万トンに、27%成長する見通しだ。これに対して需要は昨年の920万トンから増加する気配はない。
国内鉄鋼業界は1997/98年には依然として423クローの利益を計上していたが、1998/99年度には2000クローの損失を計上した。スチール・オーソリティー・オブ・インディアLtd(SAIL)、Essar、Jindal、Lloydsは損失を拡大、Tata Iron and Steel Company (Tisco)、Ispatは減益を記録した。こうした業界全般にわたる業績の不振は、4万クローにおよぶ鉄鋼投資が不採算に陥る可能性を暗示している。
業界筋の観測では4-5月の鉄鋼完成品需要は昨年同期の344万トンを5%ほど下回ったものと見られる。これに対して主要総合鉄鋼会社3社Tisco/Vizag Steel/SAILの完成品生産量は、前年同期を10万トン上回る170万トン、2次生産業者の生産量も昨年同期を0.7%上回る383万トンに達した。
とは言え、昨年5月末時点で主要鉄鋼メーカーの完成品在庫は122万4000トンと、前年同期の185万トンを下回った。銑鉄の在庫も前年同期の40万トンから28万5000トンに下降している。(ET:7/1)