SEAnews 1999-07-05 ArtNo.19670

【シンガポール】シンガポール金融管理局(MAS)は短期金融市場投資ファンド、即ち高品質で流動性に富んだ通貨市場における金融商品及び債券に投資されるユニット・トラストのガイドラインを発表した。
ＭＡＳによると、新ガイドラインは、通貨市場投資ファンドのマネージャーが、如何なる金融商品にそのファンドを投資し、如何なる方式により一般投資家にその種のファンドをマーケッティングすべきかをガイドするもので、ファンド・マネージメント業界の意見も参考に、国際的にも最良の方式の樹立を目指している。既存の通貨市場投資ファンドは6カ月以内に新ガイドラインの各種の基準を満たさねばならない。
通貨市場投資ファンドは、短期金融商品及び債券に投資することができ、これらには政府債、社債、財務証券、銀行預金証書、変動利付きノート、担保資産を有する証券、貿易手形、買い戻し契約が含まれる。通貨市場投資ファンドは、内外の別の通貨投資ファンドにも投資できる。
買い戻し契約は担保の裏付けがなければならず、デリバティブはヘッジ、技術的な資産調整、ポートフォリオ・マネージメントの効率向上の目的でのみ利用することができる。
通貨市場商品及び債券の残余償還期限は、国際機関証券やシンガポールの政府／法定機関／その他の高い信用度を有する機関により発行された金融商品を除き、366日を超えてはならない。
Standard & PoorのＡ2、MoodyのPrime-2、Fitch IBCAのF2、Thomson BankWatchのTBW-2、Duff and PhelpsのD-2以上の短期格付けがなされた金融商品は高品質と認定される。長期格付けについては、S&P／Moody／Fitch／Thomson／Duff and Phelpsの何れかのＡ以上のレーティングが求められる。
Ｓ＆ＰのＡ1あるいはそれに相当する短期格付けもしくはトリプルＡに相当する長期格付けがなされた国際機関／ソブリン／セミ・ソブリン証券を除き、単一の金融商品に対するエクスポージャーは10％を超えてはならない。
通貨市場投資ファンドは、買い戻しや繋ぎのための4週間以内且つ基金総額の10％以内の借入を除き、借入を行うことはできない。(BT,ST:7/2)