1999-07-02 ArtNo.19655
◆<星>ゴールドトロン、S$1.75億ボトムライン損失計上
【シンガポール】一時は投資家の追求の的とされたセスダック登録の地場契約製造業者、ゴールドトロンは1999年3月期年度に1億7580万Sドルのボトムライン損失を計上、今や存続し得るか否かが懸念されている。
営業損失2540万Sドルに加え、特別項目の損失が1億5050万Sドルに達した。同社は昨年3月期15カ月の業績発表でも、営業損失720万Sドルを含め、1億3340万Sドルのボトム・ライン損失を計上、投資家らを唖然とさせたが、今回の損失は一層深刻なものになった。
ゴールドトロンの発表によれば、1億5050万Sドルの特別項目損失には、非中核ビジネスの処分に伴う引き当てに加え、抵当として預けた株式を金融機関が処分したことに伴う損失が含まれている。
また向こう1年以内に返済を要する無担保債務は昨年9月末時点の6180万Sドルからほぼ3倍の1億8280万Sドルに膨張した。担保付き債務も同期間に13万5000Sドルから1540万Sドルに114倍に拡大している。
ゴールドトロンのOng Soon Kiat会長は今年3月には虚偽の情報を流し、市場操作を行った廉でシンガポール証取(SES)から25万Sドルの罰金を命じられたが、1週間前には経営を継続できるか否かについてSESから質問を受けている。ゴールドトロンはSESへの回答の中で債権銀行の支援下に経営を継続できるとの楽観的見通しを表明した。
同社は7月14日に無担保債権者と会談し、如何に債務問題を処理するかその方針を明らかにするとともに、債権者の承認を得る予定だ。
ゴールドトロンは非中核業務を処分し、債務を軽減した後、中核とする契約製造やコンポーネントのディストリビューション業務が健全な成長を回復するものと予想している。
1株益は前年の+1.16Sセントから-6.6Sセント後退、1株当たりの純有形資産も前年の37.9Sセントから0.32Sセントに縮小した。(ST,BT:7/1)
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