1999-07-01 ArtNo.19640
◆<星>独企業Infomatec、IPCの24.9%権益買収
【シンガポール】多額の負債を抱え経営難に直面する地場コンピューター・メーカーIPCコープは火曜(6/29)、同社の救済を引き受けた白馬の騎士は、ドイツ企業Infomatec AGであると発表したが、IPC株はこの日後半、過去30カ月来の高値から反落、7.5Sセント(15%)安の43.5Sセントで引けた。
IPCの発表によれば、インフォマテックは2段階に分けて最大3000万米ドルを投じ、強制公開買付義務が生じる25%の一歩手前の24.9%までIPC株を買い受けることを引き受けた。先ず2億株を1株25Sセント、総額5000万Sドルで買収、その後更に2億株を最大9600万Sドルで買い取る。後者については、IPCは1株48Sセントを限度に6月29日(43.5Sセント)から10間(取引日)の平均価格でインフォマテックに対して新株を発行する。
IPCに近い筋は、これによりIPCは1億4000万Sドル以上の新資金を手にすることができ、その債務をほぼ完全に返済できるとしている。
IPCは、最先端の技術やビジネス・モデルを備えたインフォマテックとの戦略提携は、今後Eコマース・ビジネスを手掛け、インターネット関連ソルーションのプロバイダーを目指す際、大きな助けになるとしている。
インフォマテックは昨年ドイツのNeuer Marketに上場を果たした新興企業で、時価総額は約10億米ドル、顧客にはBMW、Audi、Agfa、Siemensが含まれ、Neuer Marketにおける1998年トップ・パフォーミングIPO(公開公募)の評価を得ている。
しかしIPCの以上の発表は、投資家の信頼回復にはつながらず、株価の反落を招いたが、一部の投資家は流産に終わったドイツ企業Hagenukとの取引の二の舞になることを恐れたものと見られる。(ST,BT,LZ:6/30)
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