SEAnews 1999-06-30 ArtNo.19630

【クアラルンプル】マレーシアの重工業グループ、Hicom Holdings Bhdは自動車販売の低迷等が祟って、1999年3月期グループ営業額は前年の27億Ｍドルから16億6100万Ｍドルに38.4％ダウン、このために税引き前に1億2359万Ｍドル、税引後に1億5810万Ｍドルの損失を計上した。前年には税引き前に9億581万Ｍドル、税引後に6億3190万Ｍドルの利益を計上していた。
しかしながら下半期の損失は1810万Ｍドルにとどまり、上半期の1億550万Ｍドルの損失に比べ改善している。
Ｈｉｃｏｍの会社レベル税引き前利益は前年の3億4454万Ｍドルから2146万9000Ｍドルに93.7％下降した。
Ｈｉｃｏｍの報告によれば、1997年半ばにスタートした経済危機は1998年を通じてマレーシア経済に深刻な影響を及ぼした。過去10年間にわたり年率8％の成長を遂げてきたマレーシア経済は1998年には6.7％のマイナス成長を記録、この結果自動車販売は60％下降した。
仮にKedah Cement Holdings Bhd の36％権益のBlue Circle Industries plcへの売却が、当初の計画通り、同年度内に完了していれば、グループ・レベルで4533万Ｍドル、会社レベルで8391万Ｍドルの税引き前利益が計上できたはずだったが、ある種の条件の不備から取引は1999年6月4日に初めて完了した。
Ｈｉｃｏｍは業績の悪化から国産車製造会社Perusahaan Otomobil Nasional Bhd(ﾌﾟﾛﾄﾝ)を含む資産の処分を加速し、財政逼迫状況から脱却を図るものと見られるが、同社はその業績報告の中で、プロトンの27％の持分を国営石油会社ペトロナスに売却する交渉は2000年3月31日までに妥結するの見通しを示している。(STAR:6/28,NST,BT,ST:6/29)