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1999-06-29 ArtNo.19612
◆<馬>タジュディン氏のMAS/TRI支配権益に赤信号
【クアラルンプル】マレーシア航空(MAS)のタジュディン・ラムリ会長は120億Mドルの債務返済の圧力に抗して、ナショナル・キャリアの支配権維持を図っている。
MASの29%のシェアを握るタジュディン氏の私的投資会社Nalurは先週、11億Mドルの債務返済が困難になったことを明らかにした。NaluriはMAS権益やその他の投資ポートフォリオを担保に借入を行っており、ローン返済が滞れば、これらの担保を金融機関に差し押さえられ、タジュディン氏がMASの支配権を失墜する恐れもある。
MBfユニット・トラストのアナリストは、これらの企業が難関を切り抜けるには、タジュディン・ラムリ以上の者の支援が必要と指摘する。先週マハティール首相はファー・イースタン・エコノミック・リビュー(FEER)のインタビューに対して、国営石油会社ペトロナスがMASの支配権益を買収する可能性を否定しないと語ったことから、MASの株価は先週25%ジャンプ、Naruriの株価も26.5%アップした。
昨年は、過去10年来の最高をマークした金利や国内需要の枯渇で赤字に転落する企業が続出、多くの地元ビジネスマンの企業権益が危殆に瀕したが、ダイム・ザイヌディン蔵相の門下生とされるタジュディン氏もこうしたビジネスマンの1人に数えられる。
MASは1997年3月期には依然として43%増の3億3290万Mドルの利益を計上したが、野心的な拡張計画に伴う借入コストが致命傷になり、1998年3月期は2億5985万Mドルの損失を計上、1999年3月期にはさらに7億Mドルの損失が報告された。
タジュディン氏傘下のマレーシア最大のセル式電話オペレーター、テクノロジー・リソーシズ・インダストリーズ(TRI)も競争の過熱とコスト増から深刻な打撃を被った。TRIは2件のユーロ債の償還に5億3100米ドルを必要としており、投資家らは今年10月と11月に同ユーロ債に対するプット・オプションを実行する見通しだ。
Naluriはその年次報告書において債権者と債務再編協議を進めている事実を確認している。来年6月12日に満期を迎える買い戻し条件付き同ユーロ債の銀行保証を得るためにNaluriの投資ポートフォリオがやはり担保にされており、Naluriは、減債基金を積み立てるゆとりがなかったことから、投資権益を維持するのが困難になったことを認めている。
Naluriの1998年12月期の損失は前年の1億1315万Mドルから3億1630万Mドルに拡大している。
Naluriの債務返済問題は、タジュディン氏が、MASとTRIの支配権益を維持できるか否かの鍵になる見通しだ。(ST:6/28)
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