1999-06-29 ArtNo.19608
◆<星>タマセク会長、肌理の細かいスチュワードシップ標榜
【シンガポール】政府投資会社Temasek Holdingsは、ワールド・クラスの企業をより多く育成する狙いから、膨大なグループ企業を管理する際、より一層プロアクティブなアプローチを採用する方針だ。
タマセクのS.ダナバラン会長がこのほどST/BT両紙のインタビューに応じたところによると、経営戦略の変更には以下の諸点が含まれる。
1)傘下企業の事業多角化計画を注意深くモニターし、その長所や持ち味が事業に適切に反映されているか否かを点検する。
2)個々の企業の特性を配慮した基準を設定し、事業の照準が適切に調整されているか否かをチェックする。
3)会長や取締役の任期に制限を設け、トップ・レベルにおける新鮮なアイデアの維持を図る。
4)上級管理職により取締役会に提出される提案に対して客観的な判断ができるよう会長と最高経営責任者(CEO)のポストを分離する。
去る25日に創設25周年を祝ったタマセクの傘下には、シンガポール・テレコム、シンガポール・パワー、シンガポール航空(SIA)、Keppel Corporation、DBS Bank、Singapore Technologies、Neptune Orient Lines、PSA Corporation等、シンガポール業界のキー・プレーヤーが網羅され、これらの企業は、シンガポールの国内総生産(GDP)の10%に貢献、シンガポール証取(SES)時価総額の25%を占めている。またタマセクが保持する傘下企業持ち分の時価総額は470億Sドルに達する。
ダナバラン会長によれば、タマセクの新たな使命は、より効率的なスチュワードシップと商業ベースの戦略投資を通じてワールド・クラスの企業を育成することであり、同社は共同出資を通じて中小企業の海外事業拡大を支援する。
ダナ氏は向こう12~18カ月間に傘下企業の公募/上場が行われることを示唆するとともに、民営化計画が続行されることを確認した。またタマセクは国際ビジネスを手掛ける上から、取締役会にも国際タレントを誘致、国際感覚の維持を図ると言う。(ST,BT:6/25)
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