1999-06-29 ArtNo.19607
◆<星>DBSバンク、金融持ち株会社組織
【シンガポール】シンガポール開発銀行(DBS)は金融サービス持ち株会社DBS Group Holdings Ltd (DBSH)を設立するとともに、上場資格を返上し、新会社を身代わりに上場せ、それ自身は持ち株会社DBSHの子会社になる計画だ。
DBSバンクは26日発表したステートメントの中で、こうした再編措置のメリットとして以下の諸点を指摘している。
1)より効果的に、また柔軟に地域業務を拡張できる。
2)共通のプラットフォーム上において銀行/証券/保険等の総合的な金融サービスを提供できる。
3)異なる多くのプラットフォームを設け、企業買収を進めることができる。
4)より多くの利益を株主に還元できる。
5)傘下の子会社や系列会社は資本、税、その他の面で、利益を享受できる。
DBSバンク・グループ企業には、目下Insurance Corporation of Singapore (ICS)、DBS Securities、DBS Finance、Thai Dhanu Bank、Fujitec Singapore、the Singapore Petroleum Co、Yamaha Music (Asia)が含まれるが、一部の子会社や系列企業はDBSHの直接の傘下に移される可能性がある。DBSスポークスマンは具体的な社名を挙げることを控えているが、DBS Securities、DBS Finance、the ICSは、DBSHの直属になるものと予想される。
DBSバンクの発表は、シンガポール金融管理局(MAS)が5月半ばに銀行市場の開放パッケージを発表して以来、地場銀行が発表した最初の組織再編計画だが、アナリストらは、他の地場銀行もそれぞれのプランを追って発表するものと予想している。しかし一部の銀行はMASのガイドラインの発表を待って、対応策を決定するものと見られる。またDBSバンクが最終的に国内業務に照準を合わせ、系列会社や海外子会社がDBSHの采配の下にそれぞれの事業を別個に展開する可能性も予想されている。
それによると、DBSHはDBSバンクと異なり、海外における緩やかな自己資本比率のメリットを享受できるものと見られる。MASはシンガポールの銀行に12%の自己資本比率を義務づけているが、国際決済銀行のそれは8%である。(ST,LZ:6/27,BT:6/28)
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