1999-06-28 ArtNo.19592
◆<星>5月の製造業生産16.4%アップ:EDB
【シンガポール】今年5月の製造業生産は電子生産の急増に支えられ、昨年同月比16.4%ジャンプ、過去15カ月以来初の二桁成長を実現した。
経済開発局(EDB)が25日発表した月間工業生産指数(IIP)レポートによれば、製造業生産のこうした好調な伸びは、5月の国産非石油製品輸出の15.5%の伸びとともに、シンガポール経済の復調ぶりを窺わせている。とは言え、昨年5月には製造業生産が4.1%の落ち込みを見、その後6カ月間のマイナス成長の口火を切ったが、比較対象になる数字が低かったことも、今年5月の製造業生産の急上昇の一因と言える。
製造業生産は3月に6.2%、4月に5.4%の伸びを見ており、これら3カ月の移動平均は9.1%となる。
電子業生産は3月の12.1%、4月の12.2%に続き、5月には31.6%の急成長を遂げた。EDBは電子クラスターの目覚ましい成長の理由として、半導体に対する世界的な需要回復、セル式通信機器に対する域内市場の需要拡大、米国/欧州方面のコンピューター、ディスク・ドライブ(HDD)、プリント基板アセンブリー(PCBA)に対する好調な需要を、列挙している。
化学クラスターも石油精製部門(-8.5%)を除き何れも好調で、全体として19.6%の成長を見た。特に薬品生産は、比較対象になる昨年同月の数字が低調だったこともあって71.4%ジャンプ、石油化学は22.6%、工業/特殊化学も15.7%の成長を見た。
エンジニアリング・クラスターでは、電子産業に密接にリンクした精密エンジニアリング部門が7.5%の成長を見たものの、プロセス・エンジニアリングは石油探査開発関連機器の需要低迷等で-13.4%、運輸機器部門も海事/航空領域の不調で-5.5%と、不振が目立ち、全体として0.5%の下降を見た。
JMサッスーンのアナリストは、5月の工業生産指数が予想以上に好調だったことから、第2四半期の製造業の成長予測を6.8%から9.7%に、また同期の国内総生産(GDP)成長率も金融市場の活況等を配慮して2.5%から4%にそれぞれ上方修正すると語った。同アナリストによれば、5月の好調な製造業生産成長率には、取り分けHDD及び半導体のボリューム生産の伸びが反映されていると言う。(BT,ST,LZ:6/26)
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