1999-06-25 ArtNo.19577
◆<星>向こう10年間の情報通信技術マスタープラン立案
【シンガポール】シンガポールは国際情報通信技術(ICT)都市としてエレクトロニク・ワールドに強固な足場を築くことができるよう向こう10年間のマスタープラン“ICT21”の立案を進めている。
ヨー・チュートン通信情報技術相は22日催された“CommunicAsia99”の開幕式の席上、以上の消息を明らかにするとともに、「我々のビジョンは2010年に向けシンガポールをインターネット・エコノミーをベースとしたダイナミックで溌剌としたICTキャピタルにすることである」と付言した。
同相によると、業界/専門組織/研究・教育機関/電信局(TAS)/国家コンピューター局(NCB)/その他の関係政府部門を包むICT社会は新マスタープランの下に一致協力して目標達成を目指す。今年末までにICT21マスタープランの骨子と主要な行動計画を立案、2000年第1四半期中にこれを発表する。
ICT21はIT2000/ITブループリント/全国をカバーした広帯域ネットワーク“シンガポールワン”等の成果に基づいて立案される。ICTはネット・エコノミー時代の成長領域であり、成長の原動力でもある。米国ではICTが実質経済成長の25%に貢献しており、製造/卸・小売/電気通信/コンピューター関連サービス/ビジネス情報・テクノロジー・サービス等を包含するICTはシンガポールにおいても、1996年の国内総生産(GDP)の20%(S$260億)を占めた。
新マスタープランはICT部門をシンガポール経済のキー・セクターとして重点開発し、ICTを共通のプラットフォームとして他の部門の成長も加速させる。ICTはシンガポールにおける生活の質的向上に貢献する。
ICTマスタープランの下、大部分の公共サービスは2001年までにインターネットを通じて提供されるようになり、Eシチズン、Eガバメント・コンセプトが実現される。
リム・スイセイ通信情報技術担当国務相によると、ICT21は決して一夜の思いつきではなく、これまでのITイニシアチブをベースに、三段階を踏んで築き上げられたものである。第1段階は1980-85年の全国コンピューター化計画、第2段階は1986-1990年の全国ITプラン、第3段階は1991年以来のIT2000イニシアチブである。第1段階は“C”即ちコンピューター化、第2段階は“C+C”即ちコンピューター&コミュニケーション、そして第3段階では“C+C+C”の最後のC“コンテンツ”が追加された。
香港はクリエイティビティーとエントラプラナーシップの都市として知られ、最後のC、コンテンツの創造に最も相応しい場所と見なされている。これに反してシンガポーリアンは創造性に乏しいと言われるが、経済開発局(EDB)が1985年に導入した“イノベーション・デベロプメント・スキーム”の成功からも、この種の通説は決して正しくないと言う。(ST,BT,LZ:6/23)
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