1999-06-24 ArtNo.19566
◆<星>銀行は通信/インターネット技術の積極的利用を:MAS
【シンガポール】銀行界は先端的通信技術やインターネット技術を積極的に取り入れ、競争環境の変化に対応する必要がある
シンガポール金融管理局(MAS)のKoh Yong Guan重役(MD)は、シンガポール銀行協会(ABS)が21日主催した年次晩餐会の席上、シンガポールの銀行界は3領域の改革を進めインターネット時代に対応する必要があると指摘した。
それによると、先ず第1にインターネットを通じ、保険やユニット・トラスト等、非銀行商品を抱き合わせにして顧客に提供する能力を養わねばならない。
第2に先端技術への投資を拡大、ブランディングやサービスの品質を向上させ、インターネット・サービスの魅力を高めねばならない。
第3に研究開発(R&D)リソースのプールやバックルーム施設のシェアを通じて投資効率を高めねばならない。
また来世紀にシンガポール銀行界が直面する挑戦には、資本市場の成長と様々なリテール投資商品の登場に伴い国民の金融機関離れが顕在化すること。
こうした中で銀行は新たな金融商品を開発し、益々複雑化する預金者の関心引き留めねばならない。アジアにおける金融機関離れはまだそれほど深刻ではないが、シンガポールが推進する資本市場やファンド・マネージメントの振興は、金融機関離れを助長するはずである。このためシンガポール銀行界は、この方面でも3つの戦略的対応を図らねばならない。
第1に銀行界は非銀行金融機関と提携し、その顧客ベースのプールを拡大する必要がある。第2に非伝統的銀行業務の開拓により、伝統的銀行業務からの収入の縮小を補わねばならない。第3に信用派生商品(クレジット・デリバティブ)の開拓も図らねばならない。MASは今年末までにクレジット・デリバティブに関するガイドラインを発表する予定だ。
またコー氏によると、シンガポール国際金融取引所(SIMEX)は、Sドル債やデリバティブ市場を振興する上からもSドル金利先物契約の導入を決めたと言う。
コー氏はこの日また、2000年(Y2K)問題に対処する狙いから今年12月31日を銀行ホリデーにする方針を発表した。12月31日は公休ではなく、現金自動預け払い機(ATM)/電話/インターネットを通じた24時間銀行サービスも続けられる。しかし清算は12月30日に繰り上げ、もしくは2000年1月3日に繰り延べられると言う。(ST、BT:6/22)
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