1999-06-24 ArtNo.19563
◆<星>ウエハー製造のCSM、MIPSとライセンス協定
【シンガポール】世界第3位のウエハー製造サービス会社に数えられるシンガポール拠点のチャータード・セミコンダクター・マニュファクチュアリング(CSM)は21日、ナスダック登録の指導的マイクロプロセッサー・テクノロジー企業MIPS Technologies Incとライセンス協定を結んだ。
独自のウエハー工場を持たぬいわゆるファブレス・チップ・メーカーのためにウエハー製造の下請けサービスを提供するCSMは、関係協定の下、その顧客にMIPS製マイクロプロセッサーの中核ライブラリー(計算機プログラムの組織化された集合)を提供できる。異なるチップの機能を1枚のシリコン上に集約したいわゆるsystem-on-a-chip回路の設計を手掛けるCSMの顧客は、MIPSのライブラリーを組み込んだ独自のチップをデザインすることになる。CSMはまた、ウエハー製造の全ての段階において、キー・テクノロジー・プロバイダーMIPSの支援を受けられる。これによりCSMは他のチップ・ファンドリーに対して優位に立つことができる。
ウエハー・ファンドリーとしては、台湾のTaiwan Semiconductor Manufacturing Co及びUnited Microelectronics Corpに次ぎ、世界第3位にランクされるCSMのAna Hunter副社長によると、同社は顧客のフィードバックに基づきMIPSをパートナーに選んだ。
米国拠点のシリコン・グラフィクスからスピン・オフしたMIPSのDerek Meyer副社長によると、“systems on a chip”のためにファンドリーを利用するファブレス・チップ・メーカーは通常、1)“マイクロプロセッサーのコア・デザインを提供するサード・パーティー・デザイナーに依頼するか”、2)“直接マイクロプロセッサー会社に技術の提供を求めるか”の何れかの方式によりマイクロプロセッサーの中核となるライブラリーを手に入れる。しかし、こうした方式は何れもコストが嵩み、時間がかかる。
このためCSMはファブレス・チップ・メーカー、とりわけ通信関連のチップ・メーカーのためにワンストップ・サービスを提供する。これによりチップ・メーカーはその製品を迅速に、しかも低コストで市場に投入できる。
CSMはまたチップ・メーカーがチップをデザインするには十分だが、技術そのものをコピーするには不十分な情報を提供することにより、MIPSの知的所有権の保護にも協力する。この方式では、技術そのものは移転されないため、著作権が侵犯される恐れはなく、関係法律専門家を雇う必要もないため、コストを抑制できると言う。(ST,BT:6/22)
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