1999-06-22 ArtNo.19537
◆<馬>首相、アンワル氏の奪権陰謀を暴露、隣国マスコミを痛撃
【クアラルンプル】マハティール首相は先週末催された与党統一マレー国民組織(UMNO)の全国代表大会の席上、アンワル前副首相が経済問題を利用して首相の追い落としを図った事実を公表、経済政策を巡る意見の対立が両者の関係悪化の原因であったことを改めて確認した。
それによると、当時蔵相も兼務していたアンワル前副首相は、国際通貨基金(IMF)の処方箋を採用することにより、マレーシア経済を危殆に陥らせ、首相を辞任に追い込む戦術を採用、当時UMNO青年部長を務めていた腹心のザヒド・ハミディ氏に昨年の党大会の席上、クロニズム及びネポティズムさらには汚職批判を行うよう指示した。これによりマハティール首相の党内の威信を失墜させる計画だったが、結局失敗した。
マハティール首相は、アンワル前副首相が政治陰謀の犠牲者と主張していることに触れ、陰謀を巡らしたのはアンワル氏であり、その犠牲者は首相自身であると指摘した。
ザヒド氏は20日記者会見し、アンワル氏の指示により昨年の党大会でクロニズム批判を行ったことを認めるとともに、マハティール首相に謝罪、党に忠誠を誓ったことを明らかにした。
マハティール首相は19日には、シンガポールのビジネス・タイムズが先週金曜掲載した「Waiting for Mahathir's next move」と題する社説に触れ、「シンガポールのマスコミがマレーシアとことを構えることを望むなら、マレーシアも徹底的に応戦する」と語った。
関係社説は、マハティール首相が仮に総選挙を乗り切ったにしても、首相のポストに長居し、適当な後継者にバトンタッチできないなら、後世の歴史家は決してその功績を評価しないだろうとコメントしている。
マハティール首相は、この点について「その実、シンガポールの政界指導層には何ら変化は生じておらず、自分よりも長く首相を務めた者も居る」、「自分は息子を後継者にするつもりはない」、「シンガポール政府はその政敵を法廷に立たせ、議員資格を奪い、高額な賠償を請求、国外逃亡を強いているが、民主国家のマレーシアではそのようなことはない」等と述べた。(ST,BT,LZ:6/19,20)
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