1999-06-21 ArtNo.19520
◆<星>大多数の企業が月間給与への可変部分導入に冷淡な反応
【シンガポール】大部分の雇用主は現在の賃金システムは既に十分柔軟なものと評価、月間給与に可変部分(MVC)を設けると言う案に冷淡な反応を見せている。
求人/休職問題コンサルタント会社Watson Wyattの調査報告によると、全国賃金審議会(NWC)や全国労働組合会議(NTUC)の勧告に関わらず、月間給与に景気動向に応じて変化するMVCを設けると言う案の採用を検討している企業は去る5月に調査された企業356社中7%に過ぎず、43%のものは不採用、50%のものは未定と回答した。
ワトソン・ワイアットのRussell Huntington取締役によると、MVCを導入すれば賃金システムがあまりに複雑なものになるため、こうした調査結果も驚くには当たらない。新構想の下、賃金は基本給、年次給与補助、可変ボーナス、そしてMVCと、4部分に分割される。
MVCの導入で賃金システムが複雑化すると言う懸念の他、向こう数年の予想される賃金上昇率は、4分割するにはあまり地味すぎると言う指摘もなされた。向こう3~4年間の賃金上昇率は4%以下になる見通しで、仮にこの半分をMVCに当てても、基本給の実質的増加はみすぼらしいものにならざるを得ない。
またMVCの定義がどうであれ、一旦支給されれば、労働者はこれを既得権と見なす可能性がある。例えばAWSは本来可変給のはずだが、リセッションの中でもAWSの支給を停止する企業は少ない。
ともあれMVCの採用を検討する企業は製造業とホテル業界に多く、また地元企業の方が外国企業よりもMVCを積極的に評価している。その理由は、これらの企業が経済危機のより深刻な打撃を受けたためと見られる。(BT,LZ:6/18)
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