1999-06-17 ArtNo.19487
◆<星>新技術で携帯電話通じたEコマースの成長加速も
【シンガポール】スウェーデンの発明家Robert Leonardi氏が開発した新スマート・カード技術と、レオナルディ氏が勤務する企業Logicaが提供するソフトウェア“m-Commerce server”により、携帯電話を通じたEコマースが今後急成長する見通しだ。
レオナルディ氏がこのほどBT紙に語ったところによると、mコマース・サーバーは、携帯電話に挿入されたスマート・カードに電子キャッシュをダウンロードしたり、携帯電話を通じたオンラインの支払を可能にする。一方、レオナルディ氏が開発したソフトウェア・システム“Application SmartCard”は、様々なEコマース・アプリケーションをスマート・カードに記憶させることができ、この種のスマート・カードをGSM携帯電話にセットすれば、株取引、請求書の支払、電子キャッシュのダウンロード、各種オンライン・バンキングを自由に行える。
これまでの方式では、GSM携帯電話にセットされたSIM(サブスクライバー・アイデンティフィケーション・モジュール)カードにEコマース・アプリケーションを記憶させるが、これでは銀行は携帯電話を通じたEコマース・サービスを開始するに先だって、そのシステムが様々な種類のSIMカードと互換性を有することを確認せねばならない。また各種Eコマース・プロバイダーらもそれぞれのシステムの互換性を確保する必要がある。
これに対してスマートカードにEコマース・アプリケーションを記憶させれば、アプリケーションに応じてスマート・カードを取り替えさえすればよく、SIMカードを取り替える必要はない。加えてSIMカードの記憶容量は通常16KB(キロバイト)であるのに対してスマートカードの記憶容量は一般に64KBであるため、より多くのアプリケーションを記憶できる。
英国の情報技術(IT)企業Logicaはモトローラと協力して、1カ月前に世界で初めてmコマース・サーバーの試運転を開始した。したがってアジアではまだこの種のサービスは提供されていない。一方、レオナルディ氏はアジア企業を含む複数の企業と、アプリケーション・スマートカードの商業化に関する協議を進めている。先ず来年までに欧州でテストされ、2001年までにはより多くの銀行がアプリケーション・スマートカードを用いたサービスを開始するはずと言う。(BT:6/14)
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