1999-06-16 ArtNo.19471
◆<星>新大統領が21世紀の政府アジェンダ発表:リー副首相
【シンガポール】新大統領が今年末の国会新会期のスタートにシンガポールを21世紀に導く政府アジェンダを発表する。
リー・シエンロン副首相は週末、地元英字紙のインタビューに応じ、今国会は新大統領の選出を待って9月に閉会する予定で、9月1日には新大統領が就任している必要があると述べ、「最近は朝一番に、大統領選挙への立候補届や出馬表明を行った者がないかどうか、その日の朝刊でチェックするのが日課になっている」と語ったが、今年8月31日までに実施されねばならない大統領選挙に、オン・テンチョン現大統領が再出馬するのか否か、またそのことに対する政府の姿勢を明確にすることは避けた。
それによると、政府はオン氏の決定を待って、また他に出馬声明を行うものが有るか否かを見た上で、8月31日以前に方針を明らかにする。リー氏は「いずれにしても1人は立候補せねばならず、誰も立候補しないなら重大な問題」と補足した。
オン大統領が再選を目指すとすれば、健康状態が問題にならないかとの記者の質問に、リー氏は「オン氏が出馬を表明すれば、国民は当然その点を懸念するだろう」と語った。
ちなみにオン大統領とリー副首相は1992年に共にリンパ腺癌と診断されており、オン大統領の健康問題は、同時に副首相自身の問題でもあるが、リー氏は自身の健康状態に関して、今年初の定期検診で医師から再発の兆候はない保証されたことを明らかにするとともに、コンサルテーションとコンセンサス作りにシフトした自身の政治的役割に関して次のように語った。
政府各部門がそれ自身で解決できる問題に直接参与する必要があるとは思わない。ただ閣僚らと頻繁に意見を交換し、最終的な措置は関係閣僚に委ねている。しかし複数の省庁に跨る問題や言語教育等、鋭い政治的嗅覚が求められる問題、国民に歓迎されない政治的決定を必要とする際等には、関係省庁の調整や国民のコンセンサス作りに協力、自分にできることがあれば、その任を引き受ける。
国民は背後に存在する者が誰かを理解するはずであり、また自分は既に長期にわたり閣僚を務めてきたことから、神秘的感覚を抱く者はないはずである。こうした役割を務めることが自分を欺くことかどか、自分には分からない。
リー氏はまた、自身が首相に就任する可能性に関して、「健康に問題がなければその可能性はより大きくなるが、健康だけが問題ではなく、国民の支持や議員の信頼を得ることが必要であり、これらはそれぞれ全く異なる課題である」と指摘した。ゴー首相からはまだ後継者問題について相談を受けていないと言う。(ST:6/13,14,LZ:6/14)
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