1999-06-15 ArtNo.19460
◆<星>政府系印刷会社SNP、インターネット関連ビジネスに照準
【シンガポール】シンガポール政府が支配権益を握る印刷・出版会社SNPコープは、印刷業務を縮小し、インターネット関連ビジネスに照準を合わせる新路線が好感され、過去4日間に株価がほとんど2倍に跳ね上がった。
SNPのYeo Chee Tong社長によると、同社はその社風をより市場志向なものに転換し、技術投資を拡大、益々デジタル化が進むビジネス環境に対応する。今年下半期からは、授業や補習用の教科書をインターネットを通じて販売、書店網への依存軽減を図る。
SNPは昨年以来工場を閉鎖、800人のスタッフの内、主に印刷部門の従業員から成る40%の整理を進めているが、インターネット関連ビジネスへの進出はこうした事業再編の一環。これらを通じて年間500万Sドルのコスト削減が目指される。
SNPの営業額は一昨年の8960万Sドルから8300万Sドルに7.3%ダウン、営業損失は190万Sドルから910万Sドルに拡大した。
Koo Tse Chia財務/人事担当副社長によると、インターネットへの重心移動は、コスト削減と売上増につながる見通しだ。例えばインターネットを通じて教科書を販売すれば、書店を経ずに直接顧客にアクセスできるため、プロフィット・マージンは約10%改善する。昨年の8300万Sドルの売上中62%は印刷収入、22%は出版収入、9.7%は広告収入で占められた。
ヨー社長によれば、来年9月28日には4000万Sドルの社債が償還期限を迎える。同社はこれらの社債に年間2.5%の利子を支払っている。また310万Sドルの短期債務は今年末に返済期限を迎え、この他に4920万Sドルの長期債務も1年後に返済される。
SNP株は11日には一時1.49Sドルまで上昇した後、前日の終値を4Sセント下回る1.40Sドルで引けたが、今年初の40Sセントからすれば3倍以上に値上がりしている。(ST,BT,LZ:6/12)
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