1999-06-14 ArtNo.19447
◆<馬>バクン・ダム事業コストはM$35億~50億:TNB会長
【クアラルンプル】当初の2400MW(メガワット)から500MWにスケール・ダウンされたサラワク州におけるバクン・ダム・プロジェクトのコストは35億~50億Mドルと見積もられる。ちなみに元のプロジェクトの建設請負価格は135億Mドルだった。
復活することになったバクン・ダム・プロジェクトのリード・マネージャーを務める電力会社トゥナガ・ナシオナルBhd(TNB)のアハマド・タジュディン・アリ会長兼CEOが10日催されたTenaga Nasional Research Development Sdn Bhd(TNRD)とMalaysia Energy Centreの契約調印式後語ったところによると、プロジェクトは2005年までの完成が目指され、TNB自身同プロジェクトへの出資を検討していると言う。
アハマド会長は「仮にプロジェクトの採算が見込めるなら、海外における同様のプロジェクトへの参加の機会を探るTNBが出資しないのは、馬鹿げている」、「資源が存在し、顧客も存在するなら採算が見込めぬ理由はなく、必要なことは商業価値のあるパッケージをアレンジすること」等と指摘した。同会長によれば、バクン・ダム電力の主要なバイヤーでもあるSarawak Electricity Supply Corp(Sesco)も出資者になる見通しだ。
マレーシア政府は、Bakun Hydroelectric Corp(BHC)の主要株主Ekren Bhd(42.6%)、サラワク州政府(25.3%)、SESCO(12%)、カザナ・ナシオナルBhd(6.67%)、TNB(6.67%)、被雇用者積立基金(EPF:6.67%)からBHCを接収後、改めてその管理をTNBに委ねようとしているが、アハマド・タジュディン会長の知る限り、Ekranが再びプロジェクトに出資することはないものと見られ、TNBも支配権益を握ることはまずないと言う。
TNBは500MWの地下発電所の建設を提案しており、同発電所のキャパシティーは需要に応じて拡張できる。地下発電施設は当面河川迂回用のトンネルを使用することになるが、TNBはPergauとCameron Highlandsにこの種の地下発電所を設けた経験を有すると言う。(STAR,NST,ST:6/11)
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