1999-06-11 ArtNo.19427
◆<星>ファンド・マネージメント、今年は市況回復:金融管理局
【シンガポール】ファンド・マネージャがシンガポールを拠点に運用する資金の額は、昨年2年連続の下降を見たが、今年は顕著な復調を期待できそうだ。
シンガポール金融管理局(MAS)の報告によれば、今年第1四半期には外国資金復帰の兆候が見られ、加えてMASが今年25億Sドル(向こう3年間に100億Sドル)、ガバーンメント・オブ・シンガポール・インベストメント・コープが向こう2年間に180億Sドル(昨年は70億Sドル)を同市場に注入する。この他、ファンドマネージャの免許条件の緩和、ファンド・マネージメント産業に対する政府のテコ入れも奏効しそうだ。
昨年の運用資金総額は一昨年の1240億Sドルから1120億Sドルへと縮小した。昨年はファンド・マネージメント会社19社がシンガポールから撤退したが、その多くはポートフォリオ1億Sドル以下のファンドマネージャーだった。運用金縮小の主因はアジア金融危機に伴う資産価値の下降。
昨年の運用資金の内訳を見ると、アジア株への投資が減少する一方、ニューヨーク市場の活況で米国株への投資が急増した。この結果、株式に投資された資金は4%増の712億Sドルとなった。これは運用資金総額の64%に当たる。確定利付証券への投資は18%増の176億Sドル。投資信託(ユニット・トラスト)投資は域内市場に投資された投資信託の資産価値の目減りで32億Sドルに若干減少した。中央積立基金(CPF)が認可した投資信託件数は一昨年の18から43に増え、運用額も15億Sドルと、3倍に拡大した。(ST,LZ:6/9)
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