1999-05-27 ArtNo.19259
◆<星>証券市場のバブル崩壊の危険依然大:蔵相
【シンガポール】リチャード・フー蔵相は24日、「シンガポールの株式市場が活況を呈していることは疑いないが、バブル崩壊のリスクを負うている」と改めて警鐘した。
フー蔵相は先週マレーシアのランカウィ島で催されたアジア太平洋経済協力(APEC)蔵相会議に出席後のマスコミとの対談の際にも、高い流動性と低金利を背景に域内諸国の株式市場にバブル現象が生じていると警鐘していた。
フー蔵相がロイター通信のインタビューに応じたところによれば、シンガポール経済の警戒すべき状況は依然として持続しており、そのことは証券市場にも当てはまる。
ローカル・マーケットの活況は最近の経済ニュースのヘッドラインを飾っているが、ある種の峻厳な事実、取り分け米国方面の動向が見過ごされている嫌いがある。例えばダウが現在の高水準を維持できるか否か、金利引き上げを示す米国連邦準備銀行のシグナル等、米国市場の動向は、地元証券市場に直ちに影響を及ぼす。仮に連銀が金利を引き上げ、景気引き締めに回るなら、ウォール・ストリートの動向に忠実に反応する地元株式市場は疑いなく衝撃を受ける。
地元株式市場の投資家は米国の金利動向を十分注視しているかとの質問にフー蔵相は「多分十分ではない」と語った。
フー蔵相はシンガポール政府が採用した一連の景気刺激措置の効果に関しても、第2四半期の経済動向の統計数字を見るまではなんとも言えないと、依然として慎重な姿勢を示した。加えて多くの不確実な要因が存在し、中でも日本の経済動向が最大の不安要因と指摘した。同相によると、日本が新たな経済刺激措置を導入することは、勿論歓迎されるが、これまでのところ日本政府が採用した呼び水政策はさしたる効果を示していないと言う。(ST,BT,LZ:5/25)
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