1999-05-26 ArtNo.19255
◆<印度>MUL、首都圏喪失に伴う損失5月だけで90クロー
【ニューデリー】首都圏(NCR)で新規登録される乗用車にユーロⅠ/Ⅱ排ガス規準の適応を義務づけた最近の最高裁判決の結果、NCRから閉め出されたMaruti Udyog Ltd(MUL)の損失は5月だけで90クローにのぼる見通しだ。
MULが5月10日に最高裁に提出した宣誓供述書によると、NCRにおけるこれまでの同社のシェアからすれば、売上の25%の落ち込みが見込まれ、その額は約90クローにのぼる。これに伴い中央/地方政府はMULからの約50クローの消費税収入をフイにすることになる。
MULの生産が20%落ち込めば、MULの部品購入額は550クロー縮小する。このため自動車部品メーカーは月間約46クローの売上減を強いられる。
最高裁は5月14日の公判で、4月29日の問題の判決に修正を加え、ユーロⅠ規準をクリアーした乗用車の登録上限を撤廃した。しかしながら地方運輸当局(RTO)は5月22日から初めて乗用車の新規登録を再開、この結果、5月の当初3週間には乗用車新車の首都圏における販売は全く行われなかった。
MULは、Esteemとディーゼル・バージョンのZenは既にユーロⅠ規準を満たしており、ガソリン・バージョンのZen、Maruti800も1999年6月1日までにユーロⅠ規準をクリアさせると主張したが、デリーの運輸当局が5月22日に発表したユーロⅠ規準を満たした車両リストにMULの車両は含まれていなかった。
譬え、ディーゼル・バージョンのEsteemとZenのNCRにおける販売が認められても、これらのモデルはMULの車両の中では売れ筋でないことから、同社の損失回復にはつながらない見通しだ。(ET:5/24)
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