SEAnews 1999-05-25 ArtNo.19231

【パロアルト】ヒューレット・パッカード(HP)は新コンセプト“Ｅサービス”を武器にインターネット市場で他社をリードする計画だ。
ＨＰのルイス・プラット会長が先週火曜発表したところによれば、Ｅサービスはインターネットを通じた革新的なビジネス様式で、企業ビジネスを根本から転換させ、インターネットを次の発展段階に導く。ＨＰ社は21世紀の主流と目されるＥサービス市場のリーダーを目指し、1億米ドルの予算を組んで、新コンセプトを販促する。
ＨＰ社エンタープライズ・コンピューティング・ビジネス部門(ECBU)のAnn Livermore重役(CEO)によると、同社はＥサービスに関するテクノロジーと戦略をアジア市場に紹介するパートナーとしてアジア企業25社をリスト・アップしている。
また、電気通信／金融／ソフトウェア企業が当面のターゲットとされ、1週間以内にアジアのセールス／コンサルタント等のスタッフに対する新技術に関わる訓練を開始する。
今年末に退任を予定するプラット会長に代わり同社トップの座を目指す、次代の会長候補者の1人とされるリバーモア女史(41)によると、シンガポールでは国家コンピューター局(NCB)と幅広い問題を協議しているが、これまでにＥサービスが議題にのぼったか否かは明らかでない。しかしもしのぼらなかったとすれば、今から話し合いを開始する。
同女史が統括するＥＣＢＵの予算は150億米ドルと、ＨＰ社の470億米ドルの年商の最大部分を占めている。向こう3年間ＥサービスはＥＣＢＵ粗収入の20～50％を占める見通しだ。
Ｅスピークと命名された中核技術は、これ以前にはFremontのコード名が付けられていたもので、Ｊａｖａプログラム言語で表記され、ユーザーがパソコン(PC)、パームトップＰＣ、携帯電話、ペジャー、ＴＶセットを通じてＥサービスにアクセスすることを可能にする。Ｅサービス・プロバイダーは一連のＥサービスのセットを提供する。
例えばＥサービスを通じて旅行計画(航空券／ｶｰﾚﾝﾀﾙ／ホテル予約／ﾋﾞｼﾞﾈｽ･ｱﾎﾟｲﾝﾄﾒﾝﾄ)のブッキングを行うと、仮に航空機の発着の遅延が生じれば、自動的に携帯電話にメッセージが寄せられ、即座に航空予約の変更ができる。その際、自動車レンタル、ホテル予約等もＥサービスを通じて自動的に調整される。
ＨＰ社は当面Ｅサービスの一部を手掛け、インターネット関連市場でＩＢＭやサン・マイクロシステムと雌雄を争うと言う。(BT:5/20)