SEAnews 1999-05-24 ArtNo.19213

【シンガポール】シンガポールの輸出志向型製造業の健康度を占う主要指標とされる国産非石油製品輸出は4月に7カ月ぶりに昨年同月比8.5％の力強い成長を回復した。
国産非石油製品輸出の3分の2を占める電子製品輸出が3.3％の成長を遂げ、輸出成長を牽引した。取り分けパーソナル・コンピューター(PC)輸出は31.7％の伸びを見た。
加えて非電子製品輸出も20.7％の成長を記録、特に薬品／中間財の欧州連合(EU)向け輸出とディスク・メディアの対日輸出が顕著な伸びを見た。
国産非石油製品輸出の4月の成長率は、アナリストらの予測を倍以上上回った。また過去数ヶ月、工業生産の伸びに関わらず、引き続き輸出が下降線を辿っていたが、やっと両指標の共同歩調が回復された。
Vickers Ballaのエコノミストによると、下半期には一層力強い成長が見込まれる。その理由の1つはＳドルの対米ドル相場が4月に7％下降、輸出が一層魅力的になったことと言う。
とは言え貿易開発局(TDB)は、輸出成長の回復は業種により不均衡で、一部の主要市場に対する輸出は依然として下降線を辿っていると警鐘した。例えば最大市場の米国向け国産非石油製品輸出は、ディスク・ドライブや集積回路(IC)の需要鈍化から3月の－8.6％に続き4月も3.2％下降した。
これに反してＥＵ向け輸出は薬品や携帯電話の需要に支えられ、3月の4.2％を上回る10.4％の伸びを見、過去12カ月にわたり下降の一途を辿っていた対日輸出も目覚ましい35.8％の成長を記録した。この他、韓国向けは63.8％、インド向けは31.9％、台湾向けは35.8％と、何れも大幅な伸びを見た。
もう1つの懸念材料は、一部の主要電子製品輸出が低迷しつづけていることで、例えばディスク・ドライブ輸出は11.8％下降した。アナリストは同下降にはウェスタン・デジタルが1月に1工場を閉鎖したことが影響していると見ている。
非石油製品の再輸出は、アジア諸国の需要回復を反映して4月には1.3％のプラス成長を回復した。
4月の総輸出は5.1％増の159億3000万Ｓドル、総輸入は9.1％増の152億2700万Ｓドル、往復貿易は7％増の311億5700万Ｓドルを記録した。(ST,BT,LZ:5/21)