1999-05-21 ArtNo.19208
◆<印度>金融機関、専門委設けポリエステル業界向け融資検討
【ムンバイ】ポリエステル業界に対する新規貸付の可能性と財政基盤の脆弱なユニットから債権を回収する手だてを協議する専門委員会が組織された。
インド工業開発銀行(IDBI)、インド工業信用投資公社(ICICI)、インド工業金融公社(IFCI)の代表から成る委員会はポリエステル部門の不良貸付(NPA)を低減させるためのオプションを検討、向こう3週間以内に報告書を作成する。
金融機関はかなり以前からポリエステル繊維業界、取り分け中小企業に対する新規融資を控えてきたが、委員会は貸付を再開すべきか否かについてある種の判断を下すものと見られる。
融資を再開するか否かは、個々の企業の規模や技術水準、あるいは下流部門施設の状況に基づき異なる判断が下されるものと見られる。また委員会はポリエステル繊維業界が直面する問題を研究し、債務不履行企業に関してはある種の妥協点を見出す必要がありそうだ。
ポリエステル市況は、過去2~3年にわたり低迷していたが、ここに来て価格回復の兆しが生じている。過去数ヶ月の持続的価格の上昇で、大部分の中小ポリエステル繊維業者が今では利益を上げ得る状況になっている。
観測筋によると、実際、金利や減価償却コストを差し引いても健全なマージンが回復されている。国内ポリエステル繊維業界の主要プレーヤーとしてはReliance Industries Ltd、Indo Rama、DCL Polyester、Sanghi Polyester、Raymond Syntheticsが挙げられる。
業界筋によると価格の回復は、需要回復と新設備の追加がないことによる。キロ当たりPOY(partially oriented yarn)価格は4月の54ルピーから現在の57ルピーに上昇している。
金融機関はこれ以前には中小業者の短期ベースでの債務再編を認めており、委員会は昨今の市況回復も配慮して、債権回収の可能性に関する総合的判断を下すものと見られる。
業界筋はポリエステル繊維需要は今年度は15%の成長を見るものと予想している。ポリエステル・フィラメント・ヤーンの国内生産は1996/97年の50万9000トン、97/98年の65万9000トンと推移、98/99年には70万トン前後に達したものと見られている。(THBL:5/20)
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