1999-05-18 ArtNo.19157
◆<星>21世紀の東アジアの平和は米日中の関係如何:上級相
【シンガポール】東アジアにとって21世紀が平和か否かは、米国、日本、中国の関係如何にかかっており、もし3国関係が安定するなら平穏だが、3者が様々な問題で世界の支持を競うならかなり不安定な状況が生じるものと見られる。即ち3国関係の重心が経済発展と協力に置かれるか、政治的影響力を競うかで、大きな相違が生じ、後者なら誰もが全く異質の競争に巻き込まれることになる。
リー・クアンユー上級相はこのほどアジアウィークのインタビューに応じ以上の考えを語った。それによると、もし中国が今年末以前に世界貿易機構(WTO)に加盟できれば、局面は大きく変化する。中国はその時は市場を開放し、WTOの規則を遵守せねばならなくなる。その反面人権問題を理由に中国に貿易制裁を加えることもできなくなる。しかし最近朱鎔基首相が訪米した際、中国側が多少譲歩し、WTO加盟が実現していれば、より理想的だった。今では、皆が中国からある種の譲歩を引き出すには、ある種の強硬姿勢を見せる必要がある構えている。
NATO軍のベオグラード中国大使館誤爆事件は米中の長期関係を脱線させることはないが、米国は今回の深刻な過失で暫く守勢に立たされる見通しだ。いずれにしても中米関係が武力衝突に発展するような恐れはなく、また日本も現時点で軍事的野心はない。
石原慎太郎が全国的な支持を得ることがかできるかどうか分からないが、現在は東京都知事に過ぎず、国家指導者ではない。仮に首相になったにしても、その時には、言動を慎まざるを得ないはずである。しかし日本人が石原慎太郎を首相にすることを望んでいるとすれば、危険な兆候ではある。
中国は台湾を武力解放する権利を絶えず主張し続ける必要があるが、仮に中国が真に武力行使を望んでいるとすれば驚きである。そのようなことは中国の利益にはならず、また中国は台湾復帰の目的達成のために武力を行使する必要はない。
中国の軍事力は目下のところ、緊急時に台湾に武力行使する能力を維持することに主眼が置かれており、中国が東南アジアに対して覇権を振るうようなことはない。台湾問題の解決後中国の軍事力を再評価する必要が生じるが、台湾問題の解決にはなお時間を要する。
マレーシアの与党政権は、経済が順調に回復しさえすれば、次期総選挙で勝利できる。鍵は総選挙の時期であり、その時の経済状況と検察側がアンワル前副首相の男色行為を立証できるか否かにかかっている。しかし法廷において男色を立証するのは容易ではなく、特にアンワル前副首相は優秀な弁護士を雇っている。マハティール首相にとってこれは決定的な一戦だが、不屈の闘士として知られるマハティール首相は、勝利するまで闘争するものと見られる。
シンガポールの現在の政治指導者チームは最良のものだが、その直面する問題は建国当時以上に困難なものである。これまでシンガポールは他国に追いつくことを主要な目標としてきたが、今やライバルよりも早く新技術を導入し、近代化を進めるとともに、将来の問題の芽をいち早く摘み取るために、自ら改革を推進せねばならないと言う。(ST,LZ:5/15)
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