SEAnews 1999-05-14 ArtNo.19124

【シンガポール】自動車メーカー各社はアジア・ビジネスに、昨年よりも楽観的になっているが、まだトンネルを抜け出したと断言できるものはないようだ。
トヨタの国際広報担当ＧＭを務めるキタガワ氏によると、今年第1四半期には域内主要市場の市況が改善した。例えばタイの乗用車／商用車販売は昨年同期比30％増の1万台をマーク、マレーシアにおける販売も65％増の2400台を記録した。しかしインドネシアは依然不振で71％減の2500台にとどまり、総じて第1四半期の域内販売は昨年同期比6％減の4万6000台にとどまった。しかし通年の販売台数は昨年を上回る見通しと言う。
ＢＭＷの第1四半期の販売台数も、マレーシアでは271％増の382台、ベトナムも200％アップ、フィリピンは20％増と、多くの市場で昨年を上回る実績が記録された。同社はアジア通貨の安定と株式市況の回復がこうした復調の背景と見ている。同社販売成績は、マレーシア国内自動車産業の平均成長率85％を上回っており、しかも地元で製造された製品(輸入品に比べ低価格)が紹介される前の数字である。融資規則が緩和される中で、マレーシアにおける第1四半期の高級車販売は122％増の1484台をマークした。
東南アジアの高級車市場におけるVolvoのシェアは昨年同期の16％から18％に拡大した。同社の域内市場におけるシェアは過去2年来16％を超えることがなかったことから、その意義は大きい。Volvo East AsiaのAndre Roy社長(cars)は、アジアの大部分の市場が安定度を増していると語った。シンガポール、マレーシア、タイの先行きが引き続き明るいと見る同社は近く売り出すＳ80セダンの販促に力を集中する構えだ。
ジェネラル・モーターズ・アジア・パシフィックのRudolph Schlai社長は、域内自動車市場は既に底入れしたと語る。同氏によれば、域内の自動車販売は現在の120万台から10年内に2000万台に達する見通しと言う。(BT:5/13)