1999-05-13 ArtNo.19106
◆<星>アクバル氏、SESのコメントに反駁
【シンガポール】シンガポールの店頭市場セントラル・リミット・オーダー・ブック(CLOB)における証券取引が停止された後、マレーシア拠点の証券ブローカーのノミニー口座に凍結されているシンガポール投資家のマレーシア株に対して総額58億Mドルの現金買収を提案したイフェクティブ・キャピタル社は9日、同提案が受け入れるに足る基本的な条件を満たしていないとするシンガポール証取(SES)のコメントに反駁する声明を発表した。
それによると、イフェクティブ・キャピタルは誠心誠意SESに協力、3つのオプションを含む総合的なソルーションを提案したが、SESは結局、同社に3つのオプションの1つ、異論を呼んだ現金買収案のみの採用を強いた。
イフェクティブ・キャピタルに30%出資するアクバル・ハン氏とそのチームは、過去4カ月にわたるSESとの協議の過程で、現金買収案の他、クローズドエンド・ファンド案とClobシェアの取引を3~5年凍結する案を提起したが、SESは12カ月間に段階的にCLOB株の凍結を解くよう求め、同主張に固執したことから、イフェクティブ社は他の2案を取り下げる他なかったと言う。
ダト・ハジ・モハメド・モイズ重役(CEO)の名で発表されたイフェクティブの声明はまた、現金買収案はマレーシア政権トップの承認を得、関係当局全ての認可を得たものであると強調している。
SESは、買収提案は、イフェクティブ社が同提案を実行する財政能力を備えていることを何ら証明していないとしているが、イフェクティブはこの点に関して、「4月12日にSESに関係報告を行い、必要な金融ファシリティーもアレンジした。より重要なことは、Clob株の所有権は支払が完了し、元々の株主の銀行口座に代金が振り込まれた後、初めてイフェクティブに移管されることである」と強調している。
SESは、「現金買収案には、予想外の事態が生じた際は買収義務が猶予されるとの条件が付いているが、買収を受け入れた側は、取消が効かない」と述べているが、イフェクティブはこの点に関して、この種の猶予は6月15日までの買収提案期間におけるもので、現金買収を妨げる状況が消失した際は、最早買収義務の実行を繰り延べることはできないとしている。
SESは、CLOB株買収価格の大部分は、昨年9月15日のクアラルンプル証取(KLSE)における株価を下回り、買収提案が行われた4月30日の価格を50%下回るとしているが、イフェクティブは、「CLOB株の買収価格は、9月15日のCLOBにおける価格と比較すべきで、KLSEの価格と比較すべきではない。加えてCLOB株には優良銘柄から、二級、三級銘柄まで含まれており、これらの株式をまとめて買収するリスクや行政上の様々な規制、金融コストも配慮する必要がある」と指摘している。
イフェクティブの声明は、さらに、CLOB株を一括して買収すると言う提案も、そうした提案がなされるに至った状況も極めてユニークで、SESのいわゆる一般的に受け入れ得るスタンダードなどと言うものは本来存在しないと強調している。
SESスポークスマンによると、イフェクティブの買収提案は、今週末に17万2000人のClob投資家に配布されると言う。(ST,BT,LZ:5/11)
|
|