1999-05-11 ArtNo.19080
◆<馬>ナイレックス、M$1.7億マネージメント・バイアウト
【クアラルンプル】モーガン・グレンフェル・シンガポールの元幹部らにより創設された非公開投資持ち株会社PrimePartnerとマレーシアの上場企業Ancom Bhdは、マレーシアの複合企業Nylex(Malaysia)のマネージメント・バイアウトに参加、後者の51.9%の権益を英国拠点のエンジニアリング・グルーから1株1.50Mドル、総額1億7500万Mドルで買収する。
Ancomとプライムパートナーは企業買収の機関車を務めるRhodemark Dev SB(RDSB)に50.1%と40%を出資、残りの9.9%をナイレックスの上級管理職が占める。関係買収契約は4月26日に調印されており、マレーシア当局の認可が得られれば、RDSBは未だ手にせぬナイレックス株の公開買付を行うことになる。
中電圧開閉器/ビニール被覆繊維/ガラス容器/屋根材/絶縁ガラス綿等の製造と流通を手掛けるナイレックスの昨年の年商は5億Mドルを超えた。昨年の税引き前利益を規準にすれば、今回の買収価格の株価収益率は9.3倍。
プライムパートナーの共同創設者の1人Hsieh Fu Hua氏によると、独占販売権を有するナイレックスのマネージメント・バイアウトに参加する魅力は大きい。同社は地元グループ、取り分け多国籍企業に勤務した経験を有するような専門マネージメント・チームと手を組むことを欲している。ナイレックスのマネージメント・チームを率いるHeah Kok Soon氏は、マネージング・ディレクターとして1994年以来ナイレックスに勤務、それ以前はUMWマレーシアの財務担当重役(FD)及び常務取締役(ED)を務めた経歴を有する。
ナイレックスの最大の資産はマレーシア国内市場シェア30%を占めるスイッチギア・メーカーのTamcoで、後者はアジアの指導的ブランドになる潜在性を備えている。
既に市場の主要プレーヤーとしての地歩を築いた企業に出資するのは極めて困難だが、英国企業2社、BTRとSiebの合併と、それに続く組織再編の結果、ナイレックスがスピンオフ、ユニークな投資機会が生じたと言う。(ST,BT:5/8)
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