1999-05-07 ArtNo.19049
◆<星>多民族社会からシンガポール族の運命共同体に飛躍呼びかけ
【シンガポール】ゴー・チョクトン首相は5日、シンガポール21報告書国会審理の総括演説を行い、シンガポールは国民の運命共同体としてのネーションの次元には至っておらず、シンガポール21のかけ声一つで、それが実現することもないと警鐘した。
それによると目下のところシンガポールは主権が存在する領域を形成しているものの、そこで生活する者は人種、宗教、文化を異にし、セルビア人やユダヤ人のような強力な運命共同体を形成するには至っていない。
英語を媒介とした共同体の組織が図られているものの、人種や宗教を異にするサークルは依然として併存し、それぞれ異なるパルスを発している。従ってこうした現実に対するデリケートな感受性を有せぬ政府が誤った政策を行ったり、ショービニストが扇動行為を行うなら、異人種、異教徒間の紛争はいつでも発生しうると言う。
しかし首相は最後に、人種/宗教の相違を超えて信頼し合い、運命を共にするシンガポール族のネーションを形成するよう国民に訴えた。(ST,LZ:5/6)
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