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1999-05-07 ArtNo.19045
◆<星>Clob株買収提案はノー・スタンダード:SES
【シンガポール】シンガポール証取(SES)は5日、マレーシア当局によるシンガポールの店頭市場セントラル・リミット・オーダー・ブック(CLOB)非合法声明後、マレーシア拠点の証券ブローカーのノミニー口座に保管されたまま凍結されているClobマレーシア株に対する、シンガポールのビジネスマンAkbar Khan氏の買収提案は、受け入れ得るスタンダードを備えていないとのステートメントを発表した。
SESのLim Choo Peng会頭は、「アクバル氏の提案はシンガポール当局の拘束を受けないが、公衆の利益に関わることからSESとしての立場を示す」とし、アクバル氏の提案の欠陥を列挙した。
それによるとアクバル氏とその弁護士は、今年1月12日にマレーシア当局の支持も得ていると称して、SESへの接触を試みた。これは、クアラルンプル証取(KLSE)が、Clobマレーシア株をClob投資家の暫定口座に移す問題に関してその立場を表明する義務はないと宣言した1カ月後のことで、アクバル氏がSESに最初の接触を行って以来、SESとKLSEとの交渉は断絶している。アクバル氏は当初2種類の現金買収案を提起したが、その後内1つをクローズド・エンド・ファンド・ユニットとのスワップに修正、さらに3~5年間の取引凍結を条件とした個別証券口座への移転を提案、最終的に現金買収のみに再修正した。SESはアクバル氏の提案が受け入れ得るスタンダードを備えていないと判定した理由として以下の諸点を列挙している。
1)買収提案を行ったイフェクティブ・キャピタルは提案を実行する財務能力を証明する資料を何ら提供していない。
2)同提案には、予想外の事態が発生した際は、買収義務を暫時免除されると言う一項が含まれているが、Clob投資家は一旦提案を受け入れれば、最早その権利を回復する余地がない。
3)イフェクティブ・キャピタル社がClob投資家に約束した米ドルによる支払はマレーシア中央銀行の承認を必要とするが、同社は中央銀行の認可を得ていない。
4)イフェクティブ・キャピタルはその買収価格は昨年9月15日のKLSE終値を45%上回ると主張しているが、その実大部分の銘柄の買収価格は同終値を下回っており、また今年4月30日の市価を約50%下回っている。
SESは如何なる提案に対してもこれを保証したり、承認する立場にないが、証券中央預託機関のCentral Depository Pte Ltd (CDP)は、公式な提案を手にした際には、信託機関の務めとして同提案の詳細をClob投資家に配布、提案を受け入れるか否か、また受け入れるとすれば、何れの銘柄を売却するのか、投資家の意向を質す義務を有する。
Clob投資家は提案の内容を慎重に検討し、アナリストらの様々な角度からの予測も配慮、必要なら専門家のアドバイスも受けた上で、判断を下すべきである。しかし、SESは如何なる勧告も行わず、アドバイザーも提供しない。
SESは英国勅撰弁護士のアドバイスも参考に、Clob株のマレーシア中央預託システム(CDS)への移転に関して1998年9月18日にKLSEとの間で取り交わされた合意に基づき、KLSEとの協議を続ける。アクバル氏の提案は、マレーシアの法制の下、同合意に代わるものではなく、また取って代わることもできない。
Clob投資家は依然としてその購入したマレーシア株のオーナーであり、そのことはマレーシアの弁護士によっても確認されている。
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