1999-05-06 ArtNo.19036
◆<馬>銀行同業間介入金利引き下げは総選挙の前兆:アナリスト
【クアラルンプル】マレーシア中央銀行は3日3ヶ月もの銀行同業間介入金利を6.5%から6%に引き下げると発表したが、アナリストらは総選挙に向け経済復調の加速を図ったものと予想している。
中央銀行のAli Abul Hassan Sulaiman総裁によると、金利引き下げは、上向きつつある経済の弾性を維持するとともに、貸出金利の引き下げを通じ商業活動を支援するものである。
中央銀行の介入金利は銀行同業間金利を左右し、間接的に銀行の貸出金利の水準を定める。今回の介入金利の2分の1%ポイント・カットで、商業銀行の基準貸出金利は7.67%から7.25%に、金融会社のそれは9.02%から8.5%に下方修正される見通しだ。
ムスタパ・モハメド第二蔵相によると、金利引き下げは3%の低インフレ率とも関係しており、インフレが余り下降するならマイナス金利を招来する可能性がある。現在の貸出金利は調整する必要が有り、資金コストは勿論引き下げられると言う。
エコノミストらは、マハティール首相が国会を解散し、総選挙を宣言するまでに、中央銀行は一層金利を引き下げるものと予想している。マハティール首相は、与党連合国民戦線(BN/NF)の勝利を確保する上から、経済の一層に刺激を欲しているものと見られる。
地元紙はマハティール首相が、肺炎の入院治療でストップしていた全国遊説を再開、7月前に完了させるものと見ている。BN各党も総選挙の準備を整えているが、その時期に関しては意見がまとまっていないようだ。某与党幹部は今年10月に新年度予算案が国会に上程されるまでには、状況はかなり明瞭になるだろうと述べている。
一方、アブドゥル・ハミド・オスマン総理府相は3日、米国中央情報局(CIA)が12人のマレーシア人をリクルートし、UMNOの団結の破壊を図っていると警鐘した。それによるとこの種の工作はオランダがインドネシアを植民地化した際用いたもので、米国は同方式を日本やインドに適応、自民党政権及び国民会議派政権を弱体化させたが、今やマレーシアを標的にしている。CIAはUMNOのグラス・ルーツ・レベルにエージェントを送り込んでおり、これらのエージェントを識別するのは極めて難しいと言う。
一方、最近ジョホール州のUMNO地方支部の会議に出席したモハマッド・ラマ情報相は、アンワル前副首相夫人のワン・アジザ・ワン・イスマイル女史は新党Keadilan Nasionalを率いているが、同女史の祖先は中国人であり、マレーのリーダーになる資格はないと語った。それによるとアジザ女史がシンガポールで修学していた当時は、cap naga(龍の末裔)と呼ばれており、このことは同女史が中国人の子孫であることを物語っている。中国人の血を引き、マレーの魂を持ち合わせぬ者にマレー人を率いる資格はないと言う。(ST,BT,LZ,STAR:5/4)
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