1999-05-06 ArtNo.19031
◆<星>第1四半期のビジネス動態指数、危機以前のレベルに回復
【シンガポール】今年第1四半期のシンガポールにおけるビジネスは、アジアの金融危機が1997年半ばに発生して以来、最良のパフォーマンスを示した。
ビジネス・タイムズと国立シンガポール大学(NUS)Centre for Business Research and Development(CBRD)が、142企業を対象に実施したビジネス動態指数調査によれば、これらの企業の今年第1四半期の売上/利益/受注状況は、アジア危機発生以前のレベルに回復した。
調査結果はほぼ経済開発局(EDB)が最近発表した第1四半期の経済統計に一致している。EDBの同発表によれば第1四半期の国内総生産(GDP)は1.2%のプラス成長を遂げた。今年第1四半期に売上/利益/受注状況の改善を見た企業の比率から悪化を見た企業の比率を差し引いた、ネット・バランスは依然マイナスだが、その度合いは顕著に縮小している。昨年第3四半期に最初に回復の兆しが生じて以来、調査結果は連続3四半期改善傾向を示した。
第1四半期に売上が悪化したと答えたものは、改善したと答えたものを12%ポイント上回ったが、これは1997年第1四半期以来最も小幅となっている。
利益と新規受注に関しても同様な傾向が見られ、減益を報告したものの比率は、増益を報告したものの比率を22%上回り、新規受注減を報告したものの比率は新規受注増を報告したものの比率を17%ポイント上回ったが、何れも危機以前のレベルまで縮小した。例えば1998年第2四半期には各68%ポイントと75%ポイントを記録していた。
向こう6カ月に業績の悪化を予想するものの比率も改善を予想するものの比率をわずか4%ポイント上回るのみで、前四半期の53%ポイントから劇的な縮小を見た。
特に今年通年の業績の改善を予想するものは、終に業績の悪化を予想するものを上回った。とは言え中小企業に限ってみると売上の下降を予想するものが、売上の上昇を予想するものを34%ポイントも上回っている。これとは対照的に大型企業は売上の改善を予想するものが、売上の下降を予想するものを5%ポイント上回った。
いずれにしても今年第1四半期の調査結果は、アジア経済危機が発生した1997年第3四半期に比べ改善しており、シンガポール経済が復調しつつあることを裏付けていると言う。(BT:5/4)
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