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1999-05-05 ArtNo.19016
◆<星>銀行の消極姿勢がEコマース立ち上げのネックに
【シンガポール】シンガポール企業がEコマースを立ち上げる際の最大のネックは銀行の積極的協力が得られぬことで、このことがEコマース・サービス提供を目指す企業にフラストレーションを生じさせている。
多通貨取引や取引ボリュームの保証あるいは手数料を巡る銀行側の姿勢がネックになり、少なからぬ企業のEコマース・プロジェクトが立ち往生している。
例えばシンガポールのインターネット・サービス・プロバイダー(ISP)、パシフィック・インターネット(PI)は、そのサイバー・ショッピング・サイト“PIモール”のショップの数を100店舗に拡大することを目指しているが、多通貨取引の便宜が提供されぬため、外国店舗の参加を得ることが困難に直面している。
昨年11月にインターネット・ショップ“Discvault.com”を設け、ミュージックCDの販売を開始した地元起業家Mark Brimblecombe氏も米ドルによる取引を認める銀行を見出すのに苦労したと語る。しかし昨年7月になってやっとUOB(大華銀行)がこの種の便宜提供を引き受けたと言う。
PI幹部によると、銀行は多通貨取引を認める条件として、個々の通貨ごとに取引ボリュームの保証を求め、通常のEコマースに関しても最低ボリュームを保証するよう要求するが、Eコマースは誰にとっても未知のビジネスのため、この種の保証を行うのは困難である。
某地元企業によると、多くの銀行は1取引当たり7%前後の手数料を要求するが、同社は複数の地元銀行と折衝した結果、内一行が半額で関係ファシリティーの提供を引き受けたと言う。
この他、地元銀行は最も安全性が高いとされるSET(Secure Electronic Transactions)技術を用いることを希望するが、現状では安全性の面でやや劣るSSL (Secure Sockets Layer)技術がEコマースの主流になっており、このことも地元銀行を消極的にさせる一因になっている。
Brimblecomb氏によると、これに引き替え米国ではEコマースの立ち上げに対する銀行の協力を得るのは、極めて簡単で、ほとんど半日で手続きは完了する。ことEコマースに関しては、米国は遙かにシンガポールに先行していると言う。(BT:5/3)
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