1999-05-05 ArtNo.19015
◆<星>インテル、データ・サービス・センター設置準備
【シンガポール】インターネットを通じて数兆ドルの取引が行われる時代が間もなく到来する見通しだが、こうした取引の支援システムの構築を目指すインテル・コープは、シンガポールに同システムの地域拠点を設ける可能性を検討している。
インテル・コープのクレイグ・バレット社長兼CEOが先週語ったところによると、最近新設された同社のデータ・サービス・ディビジョン(DSD)は世界の10カ所以上にインターネット・データ・サービス・センター(IDSC)を設ける。それぞれ2000以上のサーバー・コンピューターを装備することになるIDSCのコストは各5000万~1億米ドルにのぼる。
IDSCは、データベースや情報処理サービスの提供を通じて、ネット・コマースを支援する。当地域には少なくとも1カ所にIDSCが設けられる。既に米国における2つのIDSCの建設が進められており、別に複数の候補地がリストアップされている。しかし10カ所のIDSCを同時に建設するのではなく、先ず幾つかの試運転を行い、運営面の経験を積み、調整も加える必要がある。米国に、次いで欧州、そしてアジア太平洋地域に段階的に設置される。
アジア太平洋地域におけるIDSCの建設は暫く先のことになるが、既に候補地をリストアップしている。スタート段階ではビジネス・フレンドリーな環境が求められるが、シンガポールはその種の環境を備えている。しかしシンガポールは依然としてある種のキー領域で遅れが目立つ。例えば帯域幅に関しては、インテルのような企業のそれが、シンガポールやマレーシア、香港に勝っている。ことインターネットに関しては、近隣諸国への帯域幅が極めて重視される。
現在、大部分のインターネット通信は1つのハブに集中した後、そこから他の地域に接続されている。しかし航空システム同様、東南アジアや欧州にもハブが設けられるのが理想である。また大量の情報やデータが収集される際には、プライバシーの保護が問題になるが、この点では暗号化技術がソルーションを提供する。
いずれにしてもシンガポールは、情報技術(IT)支出、インターネットの利用コスト、インターネットの普及度、広帯域ネットワーク“シンガポールワン”等、いずれの面からもインターネット時代のリーダーとしての素質を備えていると言う(BT,コンピュータイムズ:5/3)
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