1999-05-04 ArtNo.19011
◆<印度>新排ガス規準で乗用車製造コスト5万ルピー・アップ
【ニューデリー】インド最高裁が、2000年4月1日以降ユーロⅡ排ガス規準を満たさぬ乗用車(ディーゼル/ガソリン双方)の首都圏における登録を禁止し、また1999年6月1日から2000年3月31日の間ユーロⅠ排ガス規準を満たすガソリン車とディーゼル車の登録台数を月間1250台と250台に制限したことから、乗用車会社は製造計画に全面的見直しを加える必要が生じている。
1000万人の人口を有するデリーのナショナル・キャピタル・リージョン(NCR)は乗用車メーカーのマーケッティング戦略にとって欠かすことができないことから、直ちにユーロⅡ規準を満たす技術の導入を図る必要があり、そのコストは乗用車1台当たり4万~5万ルピーと見積もられる。
この種の乗用車は十分な保守サービスを受ける必要があるが、沿道の自動車修理工場では最早メンテナンス・サービスを受けられない。加えて燃料もセタン/オクタン価の高い硫黄含有率ほとんどゼロのクリーンな、また化学的に安定した燃料に転換する必要がある。さもなければ燃料システムは直ぐに機能不能に陥るものと見られる。
こうしたことはインド自動車産業に一夜にして劇的な転換を求めるものだが、これによりデリーの大気汚染が緩和するかと言えば、決してそう楽観できない。新車の10倍以上の中古車が走行し、ユーロⅡを満たさぬ車両は満たす車両の50倍以上に達するとされる。(ET,THBL:5/1)
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