SEAnews 1999-05-04 ArtNo.19004

【シンガポール】シンガポールのビジネスマン、アクバル・ハン氏のイフェクティブ・キャピタル社は4月30日、シンガポールの証券中央預託機関Central Depositary (Pte) Ltd (CDP)に対し、シンガポールの店頭市場セントラル・リミット・オーダー・ブック(CLOB)で取り引きされたマレーシア株全て（目下マレーシア拠点の証券ブローカーのノミニー口座に保管されたまま凍結されている）をこの日の終値を約50％下回る価格で買い取ることを正式に提案した。
この日午後5時直前にＣＬＯＢマレーシア株の17万人の株主を代表するＣＤＰに提出された32ページにのぼる提案の最終期限は6月15日午後5時。提案が受け入れられるならＣＬＯＢ株の株主は、提案された買収額(Mﾄﾞﾙ)を米ドルで支払われ、買収価格にはマレーシアにおける資本逃避税も含まれている。同税はイフェクティブ社により支払われる。また今回の買収提案価格はＣｌｏｂの取引が停止された昨年9月15日の価格を規準にすれば、45％のプレミアム付きと言う。
ＣＤＰはＣＬＯＢ株の全て、もしくは一部の売却を認めることができる。イフェクティブのDatuk Mohamed Moiz重役(CEO)は、これ以前に「同提案は民間部門のイニシアチブであり、ＣＬＯＢ株保持者に直ちに現金を提供する。買収の対象はブルー・チップだけでなくＣＬＯＢマレーシア株全てに対するもので、従って全てのＣＬＯＢマレーシア株保持者のために、マーケット・リスクも肩代わりする」と語った。Moiz氏はアクバル氏のパートナーで、この他、Abdul Sathar bin Abdul Kadir氏がアクバル氏のキー・パートナーを務めているとされる。
シンガポール証取(SES)スポークスマンは目下提案内容を検討しており、月曜にステートメントを発表すると語った。
消息筋によれば、イフェクティブ・キャピタルの提案は、マレーシア当局が検討するソルーションの1つで、他にクローズド・エンド・ファンド・ユニットとのスワップと株式の取引猶予が検討されているが、いずれもペンディングされており、イフェクティブ・キャピタルの提案以外のオプションがＣＬＯＢ投資家にオファーされるのか否かも明らかでない。
仮に全ての株主がイフェクティブ・キャピタルの提案を受け入れるなら、買収コストは52億Ｍドルに達し、イフェクティブは一連のマレーシア企業の支配権益あるいはかなりのシェアを握ることになる。(ST,BT,LZ:5/1)