1999-05-04 ArtNo.19002
◆<星>三菱ガス化学、新工場にS$2500万追加投資準備
【シンガポール】シンガポールのトゥアスに2500万Sドルを投じて設けた過酸化水素工場(MGC Pure Chemicals Singapore)を4月30日、オープンした三菱ガス化学(MGC)は、2003年までにさらに2500万Sドルを投じ、設備を拡張する可能性を明らかにした。
三菱ガス化学幹部らによると、シンガポールへの今回の投資と将来の投資は、当地半導体及びウエハー・ファブ市場に対する信頼現れである。電子産業向け化学品の東南アジアにおける製造/流通拠点としてマレーシアよりも、シンガポールを選んだ理由としては、有利なロケーション、先進的なインフラストラクチャー、効率的なロジスティクス、魅力的な奨励措置を挙げることができる。
過酸化水素水は、半導体を構成する高純度シリコン・ウエハーの不純物を洗浄するのに用いられ、三菱ガス化学は超高純度過酸化水素水世界市場の50%以上のシェアを占めている。トゥアス工場は、不純物含有率3兆分の10の超高純度過酸化水素水を年間1万トン製造する能力を有する。新工場は、将来一層純度の高い過酸化水素水を製造する計画だ。過酸化水素水の純度が高いほど、シリコン・ウエハーの産出率も向上する。
三菱ガス化学の後藤重役(GM)によると、この他来年第1四半期を目処に超高純度アンモニア水の製造も計画されている。アンモニア水も半導体/ウエハー・ファブ業界で大量に使用されている。
新工場の開所式に立ち会った大蔵/通産担当政府国会委員会議長を務めるLeong Horn Kee議員によると、三菱ガス化学の投資は、シンガポールの高付加価値/技術志向型ナリッジ・ベースの経済にマッチし、地元経済の高度化を促進する。この種の支援産業の存在により、当地半導体/シリコン・ウエハー産業のコストは引き下げられ、競争力を高めることができる。半導体、ウエハー・ファブはシンガポール電子産業の重要部分を成し、目下11のウエハー・ファブが操業、別に3つのファブの建設が進められている。
三菱ガス化学のヤマムラ重役(AGM)によると、アジアの金融危機は東南アジアの半導体産業を2年後退させたが、市況回復の兆しは既に生じていると言う。(ST,BT,LZ:5/1)
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