1999-05-04 ArtNo.19000
◆<星>今年のGDP予想成長率0~+2%にアップ:首相
【シンガポール】シンガポール政府は、今年第1四半期の国内経済が1.2%の成長を遂げたことから、通年の国内総生産(GDP)成長予測をこれまでの-1~+1%から0~+2%に上方修正した。
電子産業と化学工業が成長の原動力を務め、第1四半期の製造業生産は6.5%の成長を見た。運輸部門にも僅かながら回復の兆しが見られ、失業率は昨年末の4.4%から3月の3.9%に下降した。
ゴー・チョクトン首相は、1日シンガポール・インドア・スタジアムで催されたメーデー集会の席上、8000人余の労組、雇用主、政府部門のリーダーを前に以上の消息を明らかにするとともに、景気に回復の兆しが生じたとは言え、コスト削減措置等のリセッション対策は最後まで貫徹せねばならないと強調した。
それによると病気が完治せぬ前に抗生物質の服用をストップすれば、よりたちの悪い病状が再発するようなもので、国内経済の改革は最後まで実行せねばならない。また予想通り2%の成長が達成されたにしても、1997年の8%の成長はもちろん、4~6%の中期的成長目標にもほど遠い。加えてインドネシアの政情不安、不透明な日本経済の回復見通し、予想される欧米経済の成長鈍化等、シンガポールを取り巻く経済環境は依然として厳しい。
首相は、常に新たな成長領域に身を置き、時代の趨勢から取り残されぬよう絶えず新たな知識を吸収、積極的に再訓練を受けるよう国民を激励した。(ST,LZ:5/2)
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