1999-04-30 ArtNo.18971
◆<星>独工業用ガス会社Messer、US$2億追加投資準備
【シンガポール】世界第5位の特殊ガス製造会社Messer Griesheim GmbHは27日、新たに2億米ドルを投じ、目下ジュロン島に建設中の合弁合成ガス工場のキャパシティーを2倍に拡大する可能性を示唆した。
MesserのHerbert Rudolf社長兼CEOが語ったところによると、同社と米国テキサコ・インク子会社テキサコ・ネーデルランドB.Vが75:25の出資率で設立したSingapore Syngas Pte Ltdの合成ガス工場の製品には旺盛な需要が見込め、需要動向さえ良好なら2002年もしくは2003年にプラントのキャパシティーは2倍に拡大される。
同社がドイツ以外で手がけるものとしては最大プロジェクトのジュロン島石油ガス化工場は昨年9月に着工され、来年半ばに稼働する予定だ。Messerの工業ガスに関わるノーハウとテキサコのガス化技術が結合された同工場は、水素、一酸化炭素、合成ガスを石油化学会社や石油精製会社に供給する。
一方、この日は、Messerが2500万Sドルを投じてSenokoに設けた1万1500平米の特殊ガス工場が正式オープンした。同工場では、液化/ガス化ヘリウム、各種高純度ガス、特殊調合ガス、液化/ガス化炭化水素混合物が月間4万シリンダー製造され、シンガポール国内の他、インドネシア、マレーシア、スリランカ、タイ、ベトナムの医療/石油化学/電子/機械業界の顧客に供給される。
ヘリウムの液化/高純度化施設や液化炭化水素混合物施設がアジア地域に設けられるのは初めてのこと。今年の営業額は500万Sドル、その後は年商3000万~4000万Sドルが見込め、年間1億Sドルの市場の30~40%のシェア獲得が目指される。
Messerは地元企業2社(Industrial Air Products 及びTYT Gas Products)の買収やSingapore Syngaの設立を通じて、これまでにシンガポールに4億Sドル以上を投資してきた。
今年のアジア太平洋地域営業額は2億Sドルが見込まれ、グループ営業額の約5%を占める。同比率は5年内に20~25%に拡大する見通しと言う。(ST,BT,Z:4/28)
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