1999-04-28 ArtNo.18939
◆<星>STコンピューター、毎年8件のEコマース・ビジネス展開
【シンガポール】ST Computer Systems & Servicesのスティーブン・ヨー社長兼CEOは、同社の舵取りを委ねられてまだ2ヶ月あまりだが、既に野心的なEコマース・アジェンダを設定、向こう数カ月間に少なからぬプロジェクトに着手する計画だ。
最初のプロジェクトは3大陸を跨ぐオンライン・オークション。これは、社内で開発されたソフトウェア・エンジンをベースにしたもので、既にニュージーランドと日本の自動車入札システムがリンクされている。同システムはSTコンピューターが住友商事及び姉妹会社のSembawang Marine and Logisticsと共同開発したもの。欧州でも同様のシステムが4、6ヶ月以内に稼働する。
第2のプロジェクトは自動車部品の競売システムで日本のサプライヤーと欧州のディーラーの仲人役を務める。同システムは6カ月以内に稼働する。この種のシステムは宝飾品やシンガポールの自動車所有権証(COE)の競売等にも応用できる。
以上はビジネスとビジネスをリンクするものだが、ビジネスと消費者をリンクするNTUC(全国労働組合会議)Linkスマート・カード・ロイヤルティー・プログラムも同社が手がけるEコマース・プロジェクトの1つ。
STコンピューターのマネージメント・チームは先月、ビンタン島Sedonaリゾートで3日間にわたり域内子会社のトップと会合、ゲーム・プランを討議した。チャレンジは既に時代の波から取り残された過去のビジネス・モデルを捨て去ること。過去のモデルからの絶縁はトップ管理職40人ほどの交替を伴うが、マネージメントらは新しいアイデアに対するオープンな姿勢を有することを立証した。
また率直な話し合いの結果、キャッシュ補助がなされる際には、必ず新たなEコマース・サービスが生み出されねばならないことも確認された。このため毎年8~10件のEコマース・プロジェクトが稼働する見通しだ。
ビル・ゲイツも最初から成功したプロジェクトなどないと言っているように、新プロジェクトには、ある種の不確実さやリスクが伴い、全てのプロジェクトが計画通り離陸するとは限らない。しかし新たな収入源となる新領域は必ず有るはずで、譬え失敗してもその経験と学習は次のプロジェクトに役立てることができると言う。(BT:4/26)
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