1999-04-23 ArtNo.18891
◆<星>国産非石油製品輸出、3月も0.7%ダウン
【シンガポール】シンガポールの輸出志向型製造業の健康のバロメーターとされる国産非石油製品輸出は、3月も昨年同月比名目(現在価格)0.7%の下降を見た。
しかし昨年9月以来最も小幅な落ち込みにとどまったことから、アナリストらは、4月には成長基調が回復されるものと予想している。それによると、輸出は依然としてマイナス領域にあるものの、徐々に改善しており、底入れは近い。貿易開発局(TDB)も、過去10カ月及んだ対外貿易の低迷も峠に差し掛かったと評している。
TDBが20日発表したところによれば、一年前に比べ往復貿易は4.4%縮小したが、昨年9月以来の二桁の落ち込みは回避した。再輸出の8.5%の下降も、9月以来最も小幅なものとなっている。電子製品輸出は5.6%ダウンしたものの、比較の対象となる昨年3月の数字がハイレベルだったことを考えれば、深刻視するには当たらない。昨年3月の国産非石油製品輸出は電子製品を中心に8.3%の成長を見ていた。
しかし3月の貿易統計の復調に対する期待が大きかっただけに、シンガポール市場の株価はこの日大きな下方圧力を受けた。
証券アナリストらは、「3月の貿易統計数字は失望するには当たらない。事態が改善していることは確かであり、少なくとも製造業生産の復調が、在庫を積み上げているだけではないことを証明している」と指摘した。
Vickers Ballasのエコノミストは、「中間財の純輸入は7.7%アップしており、製造業生産の今後の拡大を暗示している。今年第1四半期の国内総生産(GDP)は少なくとも0.8%の成長が見込め、通年の成長予測も上方修正する必要がある」と語った。
国産非石油製品の欧州連合(EU)向け輸出は4.2%アップしたものの、対米輸出は引き続き8.6%の落ち込みを見た。こうした点から国産非石油製品輸出のプラス成長が来月回復するにしても、小幅なものにとどまり、目を見張るようのものにはなりそうにない。(BT,ST,LZ:4/21)
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