1999-04-21 ArtNo.18865
◆<星>HDDサスペンション・メーカー、二桁増益に自信
【シンガポール】シンガポール証取(SES)上場のディスク・ドライブ(HDD)サスペンション・メーカー、Magnecompは1999年度上半期の純益は昨年度に及ばないものの、通年では依然として二桁成長を達成できると予想している。
MagnecompのVinod Gupta財務担当重役(CFO)によると、第1四半期にも利益を計上、第2四半期は一層良好な業績が見込める。新規顧客が年間売上の10~15%に貢献する見通しだ。上半期の利益は昨年同期をかなり下回る見通しだが、通年で10%の成長は不可能ではない。
上半期の不振の原因は主要顧客からの受注が引き続き低調なこと、こうした低迷は昨年9月にスタートし、現在も続いている。グプタ氏は主要顧客の名を明らかにしなかったが、アナリストは同社の1998年営業額の40%を占めたシーゲートと予想している。
Magnecompは昨年第3四半期にシーゲートに対するサスペンション部品納入契約を獲得した。これらにはロード・ビームやフレクシャーが含まれるが、いずれも低マージンの製品と目されている。
グプタ氏によると今年第2四半期からビジネスは復調する見通しで、こうした兆候を示す受注の増加が既に生じている。主要顧客らは先月、サスペンションの自社製造を停止、アウトソーシングに転換した。
しかしアナリストらは、先月Magnecompが1998年度業績を発表して後、米ドル建ての同社株の評価をニュートラルもしくはホールドに改めている。Magnecompの昨年の利益は大部分が上半期に実現され、税引き前に1580万Sドルが計上された。しかし下半期の税引き前利益は860万Sドルにとどまり、ディスク・ドライブ業界が享受した第4四半期の業況回復の恩恵も被ることができなかった。従来型サスペンションの出荷額は上半期の7100万Sドルから下半期は5600万Sドルに下降した。
Magnecompはワイヤレス・サスペンションへの移行を図っているものの、目下のところはサンプルをIBMとウェスタン・デジタルに提出しただけで、グプタ氏は、マクスターとサムソンの品質認可は、目下交渉中と語った。同社は今年4月からワイヤレス・サスペンションの出荷を開始することを目指していた。しかしグプタ氏は4月にスタートした四半期にはサスペンションの出荷量は上向き、通年では25~30%増の1億5800万~1億6500万ユニットに達すると楽観している。
グプタ氏はまた今年は1500万~3000万米ドルを追加投資し、中国とタイの製造能力を拡張すると語った。しかしアナリストらによるとHDD業界の先行きは不透明で、今年は大幅な値下がりにより、関係部品業界のマージンは一層縮小する見通しと言う。
エスティメート・ディレクトリーのアナリストらは、1999年度のMagunecompの純益は22.3%増の2960万Sドルと予想している。シーゲートからの受注増がMagnecompの利益に貢献する見通しだが、ワイヤレス・サスペンション・ビジネスの利益への貢献は2000年以降まで望めそうにない。(BT:4/19)
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