1999-04-21 ArtNo.18861
◆<星>アジア太平洋地域IT市場、2003年には日本を陵駕
【シンガポール】アジア太平洋地域(日本を除く)における情報技術(IT)製品及びサービス売上は、向こう5年間年率8.1%の成長を遂げ、2003年には2024億米ドルと、日本の1840億米ドルを上回る見通しだ。現在のアジア太平洋地域972億米ドル/日本1320億米ドルに比べ、様変わりの感がある。
ガートナーグループ・インク傘下の市場調査会社データクウェストの報告によれば、アジア太平洋地域のIT市場は今年から成長の回復が見込まれるのに対して、日本のIT市場の成長は先細りするものと見られる。中国、韓国、台湾、オーストラリア、インドが成長の牽引役を務め、2003年には日本を除くアジア太平洋地域は世界IT市場の11%のシェアを占める見通しだ。
業種別で見るとEコマース/エレクトロニク・ワークプレース・アプリケーションが1999~2003年の間に年率29.2%の成長が見込め、トップ。以下サービス21.7%、ソフトウェア12%と続く。これに対してデータ・コミュニケーション/ネットワーキング機器は-7.6%、ハードウェアも-6%と、それぞれ落ち込みが見込まれ、全体として年率8.1%の成長が見込める。
同期間に世界のIT支出は年率12%の成長を遂げ、1999年の1兆2000億米ドルから2003年の1兆8400億米ドルに達する見通しだ。世界的にはソフトウェア・インフラ(インターネット関連ソフトを含む)が年率20.7%の最大の成長を遂げ、以下ソフトウェア・アプリケーション16.9%、ITサービス13.9%、半導体12%、ハードウェア6.4%と続く。中でもEコマースが成長の牽引役を務め、その成長は他のIT製品やサービスの成長にも影響を及ぼす。2005年には10億人のコンピューター・ユーザーとバーチャル・コミュニティーが出現、広帯域がこうした趨勢を牽引するが、帯域不足が生じる可能性も予想される。
技術的課題としてはインターネットとイントラネット/エクストラネットを如何に統合するか、プライバシーとセキュリティーを如何に守るか、コラボレーティブ・コンピューティングの最良の方式を如何に実現するか、データ・ウェアハウジング/データ・マイニングの潜在性を最大限に開拓するにはどうしたらいいかと言った点が挙げられる。(BT:4/19)
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