SEAnews 1999-04-16 ArtNo.18818

【シンガポール】シンガポールのショッピング・モールは1週間に50万人のショッパーを吸引しているが、サイバーモールはせいぜい1200人どまりと、大きな遜色が見られる。
市場調査会社インターナショナル・データ・コーポレーション(IDC)が13日、サンテクシティーで主催した情報技術(IT)セミナー“Directions”の席上、同社のアジア太平洋地域上級インターネット・アナリスト、Pete Hitchen氏が語ったところによると、米国におけるサイバーモールの成功に比べ、シンガポールのサイバーモールの成果が貧弱な理由には、米国のスモール・タウンの住人が大きなショッピング・センターに赴く機会が少ないのに対して、シンガポーリアンは身近に多くのショッピング・センターを有すること、カタログ販売になれた米国市民に比べ、アジアのショッパーは手触りや香り、光沢を確認せねば、満足せぬこと等の点が指摘できる。
こうした点からシンガポールのサイバーモールでは、公益サービス(例えば電気／水道料の支払い)、株式や各種チケットの販売、オンライン・バンキング等、ネットの利便性を生かした商品／サービスに集中する必要がありそうだ。また一般の書店では手に入らぬ専門書の類も、取り扱うことができる。
当地の少なからぬサイバーモールが缶ミルク1つと言った一品料理をオファー、選択の余地がほとんどないことも、ショッパーを吸引できない理由と見られる。
シンガポールのネット・コマースは1997年の3519万米ドルから昨年の8383万米ドルに倍増、今年も2倍の1億7970万米ドルが見込まれ、2003年には16億米ドルに拡大する見通しだ。しかしショッピングは向こう数年もネット・コマースの3分の1程度にとどまり、ビジネス対ビジネスの取引がシンガポールのネット・コマースの主流になると言う。(BT:4/14)